訳の分からないままに異世界転生した俺

第1話

俺の名前は菊池 悠人。17歳の高校3年生だ。

趣味は読書。あと料理も好きだ。身長は169cm。高いわけでも低いわけでもない、

ちょうど良い身長だ。俺の進学した高校は

足利高校。よくみんなには足利の足と高校をつけて足高と呼ばれている。この地域では

さして名門でもないどこにでもある普通の

高校だ。なぜ進学したのか、それは

普通だから。そう。普通の高校だ。どこにでもあるような普通のな。俺は、

普通の学生生活を送って、普通の仕事をして普通の人生を送って死んでいきたい。

最近は普通なんて面白くない、変わった生活がしたいなどと言ってる連中もいるが、

そいつらは普通の素晴らしさを知らない。

知らないからこそ言える言葉。無知という

のは人間を堕落させる。正常な意識を持てなくする。 考えてみろ、普通の生活を送れる

人生となにが起きるか分からない人生。

俺なら間違いなく普通の人生をとる。

普通が一番なのだ。何事も無く、ただただ

普通に生きていく事が俺の望みだ。

「兄さん、ただいま。ご飯ある?」と、

突如現れたこいつは俺の妹、菊池 雫だ。

どうやら午前中にのうちに学校が終わったらしい。

「...冷蔵庫の中に残り物があるからご飯炊いて食べてくれ。今日も帰り遅くなるらしいからなんか食べたいもんあったらリクエストくれ。」両親は、仕事でいつも夜遅くまで帰ってこない事が多い。家で妹と2人きりな俺たちは、どちらかが飯を作らなければいけないとなった時は、雫は「私が作ります。」と言ってくれたのだが実のところ雫は大の料理下手だ。とても食えるもんじゃなかった為、俺が作る事になった訳だ。雫は頷き

「そうですね...。無難にハンバーグが食べたいです。」

「ハンバーグか...。分かった。あ、確か

ひき肉切らしてるから買ってきてくれ。

俺は昨日の疲れがまだ取れてないんだ。少し寝かせてくれ。」ここに引っ越してきたのがちょうど昨日。引っ越し荷物を整理できた時には俺は疲れ果てていた。どうやらまだ疲れが残っているようだ。体がだるい。

「ん、分かった。ご飯食べたら行ってくるね。じゃあ、おやすみなさい。」そう言って部屋を出て行くまで雫に手を振る。

さて、雫もいなくなった事だし、寝よう。

体が重いのだ。ダンスやら机やら、重いものを長時間運び続けたからな。体に相当な負担をかけていたようだ。

「...これは筋肉痛コースだな。」そう一言、誰も居ない部屋に放った。それがこの世界で最後に発した言葉だったのだ。

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