ジャガーさんとフレンズ
なつみかん
ふたりでぼうけん
ザババババ……チュンチュンチュン、サササササ……。
ここはじゃんぐるちほー。様々なフレンズたちや動物が暮らす、少し暑めのそんなところである。
いつもなら、ここでイカダをかついで川を渡っているジャガーだったが、あまりの暑さに大きい川はだいぶ落ち着いてしまったようで、よっぽど泳げないフレンズでなければ渡ることも簡単だ。
だから、ジャガーは最近暇をもてあそんでいて、何をしようかと思っているのであった。
「ジャーガー、なにしてるのー?」
そうやって聞いてきたのはコツメカワウソ。遊びの達人で、ジャガーとも仲が良かった。
「さいきん、大きい川をわたれなくて困っている子がすくないんだ。だから、なにか別のことをしたいなって思ってるんだけど…」
「じゃあさ、たびをしてみようよ!いーっぱいたのしいことあるとおもうよ!」
「うん、いいね!たび、行こうか!」
「わーい!」
話がまとまると、ジャガーたちは早速たびに出かけることにした。
最初に向かったのは、こうざん。こうざんの上には、カフェというものがあるらしく、評判も良かった。
けれど、こうざんのてっぺんは雲に覆われているような場所だ。
どうやって登ろうかな、とジャガーが考えていると向こうから声が聞こえてきた。
「ジャガー!なんかおもしろそうなものがあるよ!」
と、陽気なコツメカワウソの声。
ジャガーがそっちへ向かってみるとそこにはなにか四角いものがある。
「これなんなんだろう?」
「わかんないけど、きっとたのしーものだよ!」
コツメカワウソはそう言ってそれに乗る。しばらくは何も起きなかったが、それがいきなり動いた。
「ジャガー、これうごくよ!なんか、このぐるぐるするやつをまわすと…」
それは前後に動く。何かはわからないけど、とりあえずこうざんに登れそうだった。
「よーし、じゃあ、しゅぱつしんこー!」
それはゆっくりとこうざんの方向へ進み始めた。
「不思議だねー。なんかばすみたいな動きだね」
「ちょっとづつたかいところにのぼっていくぞー!」
それはどんどんとこうざんへ登っていき、そのうちに景色ももう遠くのサンドスターが出る山まで見えてきた。
「ジャガーもこれやってみてよ!おもしろいよ!」
とコツメカワウソが言うので、ジャガーが今度はぐるぐるを回してみることにした。
「うおおおおおおおおおおお」
「わー!すごいはやーい!」
それはすごいスピードでこうざんを駆け上っていき、雲も景色もつきぬけ、あっというまにこうざんのてっぺんへついてしまった。
「あら?お客さんかしら?」
そういって現れたのはトキ。
「うん、かふぇを探してるんだ」
「それなら、私が案内するわ」
トキはそういうと、ついてきてと、歩き始めた。
二人はその後ろをついていく。
目的地はすぐ近くにあった。
ギィィィィ……、ドアはそんな音を立てて開く。
「ふぁぁぁぁ、いらっしゃいー!ようこそジャパリカフェへー!」
そういったのはアルパカ。
「このこたち、カフェに来たいって言っていたから連れてきたわよ」
「そうなんだー、トキありがとー!それで、なにのむぅ?いろいろあるよ」
アルパカはそう言ってジャガーたちの方を向いた。
「うーん、じゃあ、おすすめのやつのもうかな」
「わたしは、おもしろいのみもの!」
「わかったよぉー、よういするから少しまっててねぇ」
アルパカはそう言って飲み物の用意を始めた。その間に今度はトキが話しかけてきた。
「待ってる間に一曲いいかしら」
「うん、いいよ!」
その後、店内にはトキの歌声が響き渡る。
「トキちゃん、だいぶ上手になったんじゃないかな、はいこれ、飲み物だよ」
「なんだろう、不思議な色。大きい川みたいな見た目だね」
「これは紅茶っていうんだ。ハカセにおしえてもらったんだょお!」
アルパカはさらにそこへ白い物を流し込んでゆく。ジャガーは不思議に思ったのだが、すぐにそれはアルパカのおすすめだということがわかった。
「これね、ミルクっていうんだけどおちゃとまぜると不思議なかんじになるんだぁ」
そうやってアルパカがかき混ぜると、ミルクは紅茶と混ざって不思議な色になる。
「すごいね、こんなふうになるんだ」
ジャガーがそう言うと、アルパカは少し嬉しそうに笑った。
「ジャガー!これおもしろーい!ぱちぱちするよ!」
そういったのはコツメカワウソ。色は普通の水と変わらないが、泡みたいなものが出ている。
「それはね、そーだっていうんだ、ぱちぱちしておもしろいでしょぉ!」
「うん、すっごいたーのしー!」
「ありがとねぇー!」
「また歌も聞きに来てちょうだい」
トキとアルパカは笑いながら言う。
「じゃーねー!」
ジャガーたちはそう言って、また四角いのに乗り込んだ。
「よーし、明日からも頑張るぞ!」
「たーのしーこといっぱいだったね!」
ジャガーとコツメカワウソはそれぞれ満足してじゃんぐるちほーへ戻っていく。
ジャングルの夕暮れに笑いを響き渡らせながら……。
「じゃあ、大きい川に出るよ!」
「ハカセのところまで行きたかったんだけどちょうどよかったよぉ」
「へーきへーき、まっかせて!」
「いいよぉ!」
明るい声が今日も響き渡ります。
ジャガーさんとフレンズ なつみかん @natumikan72
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
そのままでいい/なつみかん
★0 二次創作:けものフレンズ 完結済 1話
ジャガーwithフレンズ/なつみかん
★0 二次創作:けものフレンズ 完結済 1話
ツチノコ・コンテンツ/なつみかん
★0 二次創作:けものフレンズ 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます