ムラのお祭り
サクラチル
第1話みんな以外の歌を歌おう。
2019年のバレンタインの翌日、僕は警察に相談電話を掛けていた。
予想外に、とても若い繊細そうな声で応対してくれた。
僕はなぜか14年前の夏から、自宅にいる時は隣家から、何かの薬品を吹き付けられるようになったんだ。
理由は分からない、だって聞いても、しらばっくれるだけだからね。
でも、毎日僕の毎日は、そんな虐待の日常化が、淡々と進行するだけだったんだよ。
しかも、虐待の度合いは日に日に、エスカレートするばかりでね。
無言で耐えるしかなかったんだ。だって、相談したって誰も相手にしてくれないからね。そう、誰一人として。
それに、加害者は大勢だしね。信じられないくらいね。
そして毎日、老若男女(本当に、年齢・性別を超えて)、全くよくわざわざたった一人の他人にネガティブに関わろうと欲するものだと、理解は一ミリも出来ないけれども、感心させられるくらいだよ。
そんな風に日々、僕に関わろうとする方たちの顔が、とても生き生きしているんだな。
まるで、普段の鬱憤晴らしの生贄を、皆でなら袋叩きにしても構わないような輩を見つけた喜びで、そう、少なくとも僕にはね、涎を垂らさんばかりに舌なめずりしているようにしか、とても見えないんだよね。
そうして、どうやら、いつの間にか始まったらしいんだよなぁ…
ムラの血祭がね。
どうやらこれってね、対象の生贄の存在を消すまで、多分、無意識に、流されつつ、
粛々と、行われるみたいだな…
そして、集団の目的を達成すると、次は誰を?となるんだろうな。
僕には全く理解できない、唾棄すべき事だよ。
違うのかな?
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