シラケン
あめいろ
第1章『就活編』
プロローグ
子供の頃、父とよくラーメン屋へ行った。
「ったく分かってねーな、お前」
いつも自分がラーメンを食べ始めると、父は決まってそう言った。
「は?」
自分がポカンとしていると、続けていつもこう言う。
「良いかよく聞けよ健太。ラーメンってのはな、スープから味わうもんなんだよ。口の中に広がったスープを五感で味わいながら麺をすする。それが一番旨い食い方なんだよ。分かるか?」
父はいつもそう熱く語る。
自分の答えも、いつも変わらない。
「いや分かんないから。てか分かんないから先に麺食べてるわけで。てかラーメンの肝は麺でしょ、ラー『メン』っていう位だし。てか五感で味わうって何?味わえるの五感の中で味覚だけなんだけど。大人なのに母国語も理解出来てないとか大丈夫?息子として恥ずいんだけど?」
「お前いつからそんな口悪くなったの?」
昔から父の言うことは理解出来なかった。
そして、それは10年経った今も変わらず、、、
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