死にゆく命の最終明言
楠木黒猫きな粉
とんだバカの人生語り
死ぬ。
それは生とは真逆の事象。それは人のとなりに当たり前に存在しているもの。
では、ここで誰かに問う。
殺しとは正義だろうか。きっと多くの人間はこの問いに頷きこう答える。
【殺しは何があっても許されない、最低の悪】
そう答える筈だ。
なら条件を変えようか。被害者側の命が無限だったならばその殺しは悪だろうか。
答えは簡単なものだろう。間違いなく悪。けれど許されるほどの悪。その差はわかりやすいほどに現れる。簡単にいうならば一つならば絶対的な悪。複数ならば悪に近しいナニカ。
こうなるのだ。人は一つだけというものに価値を見出してしまう。限定的な物に価値を、意味を感じてしまう。
さぁ、また条件を変えようか。
【ひとりの男は無限の命を持っている。けれどそれは無限ではなく有限。一つではないがいつまでも続くわけでもない。
そして、その命の代価はほかの誰かの生】
この条件ならば殺しは絶対的な悪になる。断言出来てしまう。何が違う。そんなこと一目瞭然だ。他の一が失われているからだ。
ただそれだけの違いがここまで人の考えを変えてしまえる。
それがこの話の内容だ。
じゃあ、本題に移ろうか。
俺は誰かに問う。
【他人の命を奪いながら生きる俺は悪なのか?】
きっと答えは悪に帰結する。
なぜならば、それは殺しと同じような事だからだ。
だから俺は自分を【悪】として呪い続ける。
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