第参話 彼は松下之綱さま
長則さまと初めて会った時に聞いた、息子の話。ワタシと同じくらいの歳って言ってたけれど、そんなに若くワタシは見られてたのかしら。
今、目の前にいるのは長則さまの息子である之綱さま。見た目は長則さまを若くした感じかしら?目元もそっくり、ワタシの胸をチラチラ見るのも一緒。
何度も話した事があるし、意気投合って言うのかな、何となくだけど相性は良さそうよね、何がってナニがよ?
「之綱さま、昨日…見てたでしょう?」
「…っ、な、何の事だ…、って、俺の事は様付けするな言っただろ、歳は近いし、今は誰もいないし」
そう言えばそんな事を言われてたわ、年下の子に様を付けるのは確かに、って思ったけれど呼び捨てにしたらしたで、周りの嫉妬が凄いのよね。
一先ず、之綱さまの言う通りに、今は誰もいないから呼び捨てにしておく。
「は~い、之綱。で、話しは逸らさないで。昨日、見てたでしょう?」
唇を緩めて笑みを見せると、之綱に近寄って腕に腕を絡め胸を押し付ける。長則さまもこれに弱いのよね。
案の定、狼狽した姿が見える。年下の子って感じね、体は大きいから年下っぽさは体格には現れてないけれど。
「み、見てない」
「嘘、之綱は見てたわ、視線感じたもの」
「み、見てないって」
しらを切るみたい、ならこっちも……。
ワタシは腕の力を強め胸を更に押し付け、そして相手の耳朶に唇を近付けて息を吹き掛けながら言葉を告げる。
「ふふ、うーそ、之綱の視線感じたわ、本当の事言ったら、……触っていいのよ」
肩を揺らした之綱の視線が、ワタシが押し付ける胸元へ。
喉を鳴らす仕草を耳にすると、ワタシは背伸びをし相手の唇に唇を近付けて口付けを交わす。
唇を押し付けた侭、誘うように相手の首元に腕を回せば、ついに陥落。
之綱は掌をワタシの胸に押し付け激しく揉みし抱く。
「…っみ、見てたっ、いつも、ん、父上ばか、りっ…」
「ん、ぁ、うん、っ、そうね、長則さまばかり、だったから、之綱も…良いわよ」
「…っ、さ、猿っ、猿っ」
やっぱり親子なのね、ワタシの事を猿、猿って言うけれど、ワタシは猿じゃないのよ!心では思うも、今は集中、集中。
「ん、っ、ねぇ、之綱。もっと、気持ちイイ事を、しない?」
胸を揉みし抱く相手のある部分へ、ワタシは自分の指先を這わせてみる。
思わず腰を引いた相手の困惑した表情、ふふ、かーわい。
「さ、る?何をだ…?」
「長則さまとは、してない気持ちイイ事」
ワタシは戸惑う之綱を押し倒した、いただきまーす。
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