ælfadl

第1話

「絶対」がないことが、何より苦しい

「絶対」がないことが、何より恨めしい

「絶対はない」という真理が

「希望」と「絶望」のどちらもを連れてくる

「希望」があるから諦められない

諦めることを赦してくれない

わずかな望みにかけて努力を続けろ

そうやって苦しみ続けなければならない

同時に僕は「絶望」する

手放すことを赦されない

逃げ出すことを赦されない

こんなにも苦しいのに

僕はここに立たなきゃならない

戦い続けなきゃいけない

「絶対はない」という悪夢が

僕をこんなにも惑わす

僕をどこまでも追い立てる

「絶対はない」、だから気を抜くな

「絶対はない」、だから諦めるな

「絶対がない」その事実が

いつまでも、どこまでも

重たく、深く、のしかかる

「絶対」がないことが何より憎らしい

「絶対」がないことが何より憂わしい