遺書
愛するあなたへ
これを読んでいるってことは私はもうこの世にいないのかな?
なんか不思議な気分です。
これを書いたのは私があなたに面と向かって言えないことがあるからです。
本当は直接言えばいいのだけど、これ以上あなたが悲しむ顔を見たくないので書くことを選びました。
あなたはと私が付き合う前に喫茶店に呼び出して重要な話があるって言ったことがあったよね。
覚えているかな?
あそこでね私は目が悪いことをコンタクトでごまかしているって言ったんだけど、実はあれ嘘だったんです。
後で本当のことを言おうと思ったけど、そしたら嫌われちゃうかなと思って怖くて言えませんでした。
ごめんなさい。
でも今日は正直に言います。
実は私は小さい時からずっと病気だったんです。
そして大体今年ぐらいに死ぬこともわかっていたんです。
黙っていたのは本当に申し訳ないと思っています。
でも本当のことを言ってあなたと別れたくなかったのです。
こんな自分勝手な私を許してくれますか?
許してくれて、あなたが幸せに生きてくれれば私はもう何も悔いがありません。
こんなにも素敵な恋をさせてくれて、ありがとうでは足りないくらい。
私はあなたをずっと愛しています。
それはきっと死んでからも一緒です。
私はこの前「私のことなんて忘れて楽しく生きてね。」って言ったと思いますが、欲を言うならたまにでいいので思い出してほしいです。
本当に図々しいですね。ごめんなさい。
では、私はここで失礼します。
また会いましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます