死の島

 ほの暗い島のほとりで

 世界に降りそそぐ銃弾を

 ぼくたちは眺めていた


    惨劇から遠くはなれて

    砂上さじょう楼閣ろうかくを築こうか

    それとも二人ここで眠ろうか


 時の葉に日々はしたたり

 仕組まれていた白い棺も

 ぼろぼろに崩れてしまった


    ぼくの名前は何だっけ?

    きみはぼくを知っているの?

    問いはいつもはぐらかされる


 ほの暗い島のほとりに

 世界の残骸ざんがいが流れ着くごと

 ぼくは何かを思い出しそうになる

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