一人の老人が誰かの夢の中で導く

 よく乾いた薪を火にくべ

 甘い紅茶を楽しみながら

 ほろんだ時間を語りましょう


 一人きままに続ける旅で

 巡った異邦の物語など

 数えるほどでよろしければ


 気に病むことはありません

 こんなに陽射しの暖かい日は

 森の魔女も眠っております


 運河は悠々と流れ

 山並みはくっきりと映え

 ここにいるのは ぼくらだけ


 遠ざかるさだめのように

 ぼくは余生を生きている

 けれど あなたはこれからの人


 蛇のように賢くありなさい

 鳩のように素直でいることです

 昔の人もそう言っていました


 ではさようなら 迷子のあなた

 甘い紅茶を飲み干したなら

 それからでも 遅くありません

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