リビドー

君の肌に触れた瞬間僕は理性を失った

白く薄い肌着にぽつんと汗の痕

それは君の腰周りにあって

僕が痕をなぞると君は声を出すのを我慢するように口をきゅっと突き出して目を閉じた

リビドーが僕の脳を揺らす

思考が麻痺して本能が鎌首をもたげる

君の肌から放たれる電流が僕の目と耳と触覚を君だけのものにさせた

腰にゆっくりと手を回すと 同時に僕は沈みこんでいく

君の中へ

少し手ざわりの粗い君の肌着が僕らの境界を消し去った


魂だけがスローモーションで宙返りをしている

僕らは溶け合いながら

魂たちは背中合わせになったり巴になったり向き合ったり

体はただ君の肌に触れたままで

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る