第四百六十二話 三姉妹の絆編 その十


 食後。

 当の貧乳疑惑が掛けられた姉さんがいようがいまいが変わらず広い部屋に、私達は三人で入室。

 

「やっぱ考え方変えると人生楽だな」

「帰ってきた時に後悔する事にならねば良いが」

 

 この勢いなら終わるまで帰って来なさそうだな。

 

「貴様が言うとフラグにしかならんな」

 

 そゆこと言うなよ。

 私が上手くいって欲しいとか思う時大体フラグ回収オチなんだから。

 

「あ、あの……」

「? なんだ? 心美」

「私、バスタオルとか寝巻が無いんですがどうしたら……」

 

 そう言えばそうだな。

 

「取り敢えず姉さんの適当に借りれば?」

「い、良いんですか?」

「一日くらい借りてもバレねえだろ」

「一話の内にどれだけのフラグを立てるつもりだ……」

 

 しつこい。

 

※※※

 

 そのまま風呂が沸き、入浴。

 

「……」

 

 もう〇ろう時代含めると数年が経つが、私の入浴シーンはどこに需要があるのか気になって仕方がない。

 今もこうして流れているわけだが。

 

「ふぅ……」

 

 というかここまでで何回入浴シーンを流しただろうか。

 私は覚えている。

 確かある回だと、私はここに映せないものを持ってきてしまった筈だ。

 今回はそんな事はしてねえけど。

 

「まあ姉さんいねえからしても良いんだが」

 

 そういう問題じゃねえな。

 

「うわ一人でボケてツッコむとかつまんねえな」

 

 てか尺埋めたいだけだと勘違いされるな。

 

「まあどうせ誰か入って来るだろ」

「初さん一緒に入っても大丈夫ですか?」

 

 ほらな。

 しかも心美偉い。

 姉さんなら断りなしで入って、私がシてた事を嘲笑う。

 

「良いけどあまり私の身体見んなよ」

「分かってますよ」

 

 そのまま心美が入る。

 江代程ではないが、デカい……。

 

「背中流しましょうか?」

「いや良いよ。もう自分でやったし」

「友達なんですから、遠慮しないでくださいよ」

 

 背中に胸が当たったらこいつの首がはじけ飛ぶかも知れねえのにやるな。

 

「言っとくが、背中に胸は当てない方が良いぞ。当たったら多分嫉妬でお前の首が飛ぶ」

「ええええ!」

 

 よし……これでやりはしないだろう。

 

「当てないように頑張ります」

 

 何故そうなる。

 

※※※

 

「ごしごし……」

 

 ……。

 

「ごしごし……」

 

 …………。

 

「ごしごし……」

 

 ………………。

 

「ごしごし……」

 

 ……………………。

 

「ごしごし……」

 

 ………………………弱いな。

 

「やる気ある?」

「そうじゃないんです……当てないようにやるのが難しいんです」

 

 ……煽ってんのかテメエ。

 

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