第四百六十三話 三姉妹の絆編 その十一


 そのまま風呂から上がり、私と心美は部屋に戻り。

 明日の準備。久しぶりの定番シーン。

 

「これとこれと……」

「ふっ、これは要らんのか?」

「わざわざ姉さんの真似しないでよろしい」

 

※※※

 

「このネタやるのも最後だな……」

 

 完全に尺埋め目的の為に使われた定番シーン。

 バラエティとかでもそうだが、こういうのって最後だと泣く人とかいるんだろうか。

 

「いやいねえか……」

 

 少なくともこの作品にそこまで思い出がある人は珍しいだろう。

 

 そゆこと言うなよ……。By作者

 

「ゑ? 作者泣いてる?」

 

 当たり前だ! ここまで書くのどんだけ苦労したと思ってんだ馬鹿……。By作者

 

「取り敢えずまだ終わってねえんだから、その涙は最後までとっといてくれよ」

「ふっ、エンディングまで泣くではない」

 

 懐かしいキャッチコピーだな。

 〇んちん。

 

「まさかあやつが〇スにその名前をつけるとはな」

「あやつとか言うな」

 

 一応芸能人だぞあの人。

 

※※※

 

「ところで、明日はどこに行きますか?」

「そうだな……」

 

 取り敢えずこいつ金ねえから奢りになっちまうんだよな……。

 仕方ねえ。

 

「奢るかしゃーねえ」

「いや良いんですよ? 別にお金使う事じゃなくても」

「とは言ってもなあ」

 

 デパートとかに買い物行ったり、ゲーセン行ったりするのにも金掛かるしな……。

 

「公園はどうです?」

「お前と出会ったあそこか? あそこ何もねえだろ」

 

 たまに行くけどベンチ座って噴水眺めるくらいしかやる事ねえ。

 

「初さんと一緒なら……それでも……」

「いや流石にそれだけってのはな……」

 

 公園で何もせず二人でぼーっとしてる女子高生とかいねえだろ普通。

 

「貴様に普通の女子高生のなんたるかが分かっていたとはな」

 

 勘違いすんな。お前らが引っ張り過ぎるせいで麻痺しかけてるように見えただけだ。

 何が普通かは分かってるつもりだ。

 

「そうなら良いのだがな」

 

 てかお前らが普通になってくれ。

 

「それが中学時代にあんな事をした奴の言葉か……」

「その話はもう良いだろ!?」

 

※※※

 

「はあ……もう良いや。寝よ」

 

 私はそのまま横になる。

 

「あれ、もう寝てしまうんですか?」

「色々あり過ぎて疲れたんだよ」

 

 の割にはまだ三十七ページ目だけど。

 

 ページ数と濃密さは=じゃねえだろ。By作者

 

 まあそうだな。

 

「ふっ、吾も明日はどうしたものか……」

「それなんですが江代さん」

「なんだ?」

「江代さんも一緒に行きませんか?」

「吾もか?」

「買い物は人数が多い方が楽しそうですし、それに……」

「?」

「友達の初さんには迷惑を掛けられませんが、江代さんにならお金を借りても良いかなと」

「その理論に至った理由を述べよ」

「私は初さん一筋ですから」

「あやつ……何だかんだで人から愛されるよな……」

 

 片方はマジでろくでもない奴だけどな。

 

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