第四百四十三話 初系・江代系・淀子系 その六


『進路相談を個別でした時』

 

『初系』※※※

 

「えーっと、じゃあ進路面談始めるぞ」

「おい先公」

「いきなりなんだよ」

 

 なんだよじゃねえよ。

 

「煙草吸うのやめてくれ。臭えんだよ」

「私はお前に付き合っている身なんだ。やりたくもねえのに……」

 

 教師がそれ言っちゃうのかよ。まあ気持ちは分からなくねえけど。

 

「とにかく私の時だけは我慢してくれ。そろそろ頭痛くなってきたわ」

「へいへい」

「……ったく」

「んでさ、大学どうすんの? 一応お前は成績一位取り続けてるから大学の推薦取れるわけだけど」

「まあこの学校で大学の推薦枠を取れる事自体謎だけど、都内の……大学で」

 

 先輩がこの前推薦で合格した大学だ。

 

「あーあの大学ね。一応枠あるよ」

「ここで無いってボケたらお前を殴り飛ばしてた」

「いや酷くねえか?」

 

 酷くねえよ。詐欺じゃねえか案内にもあるのに。

 

「一応言うけど、今まで受けた奴ら推薦なのに皆落ちたからな」

 

 それはよっぽど頭悪かったんだろうよ。ちゃんと受験勉強はしてるから大丈夫だ。

 

「まあ、落ちないようにな」

「へいへい」

「あと就職先としておススメしたいんだが」

 

 まだ就職する気はねえぞ?

 私は大学入ったら先輩と結婚して主婦になるんだ。

 

「貧乳専門の風俗店の求人が来ててな。お前だけなんだ入れそうなの」

 

 絶対行かねえし何故高校に風俗の求人?

 

『初系』『貧乳専門の風俗店に行く気はないかと聞かれる』

 

『江代系』※※※

 

「ふっ、最後の審判を始めようぞ……」

「はいはい」

 

 吾の行く道は決まっておる。

 阻む事など誰にも許されんぞ。

 

「んで、どうすんの就職」

「貴様に伝えて理解出来る道など、吾は進んでおらん。手助けなど必要はない」

 

 一般入試で美大へ行きたいって、初に勉強教えてもらってたっけ。By作者

 

 作者よ。それを言うと吾の夢が安っぽく見えてしまう。

 

 それ高卒で働きながら作家目指してる俺を馬鹿にしてんのか? By作者

 

 勘違いだ。

 

「就職しないの?」

「ふっ、貴様の提示する道には乗らん。それだけは言っておく。さらばだ」

「おーい話終わってないよー」

「ふっ、貴様の退屈な話には付き合ってられんな」

 

『江代系』『意味わかんない』

 

『淀子系』※※※

 

「……」

「……何か喋れば?」

「いや、淀子と進路相談する程私暇じゃないの。成績も最下位だしニートになるしか選択肢ないわね」

 

 ……逆に言っていい? 何でこの学校が存在してるのよ。

 

「校長に聞いて?」

 

 あの悟〇のパチモンねえ……。

 

「今だと校長の位捨てて兵長になりたいとか言ってる」

「それ江代に殺されるからやめとく事をおススメするわ」

 

 絶対ダメよ。

 

「まあどうでも良いけどどうすんの?」

「大学行きたい」

「寝言は寝て言え」

「あ? 行かせないと殺すわよ?」

「……すみません」

 

『淀子系』『意地でも大学生活したいらしい』

 

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