第四百三話 藍田の苦悩 その十二


「人の命で遊ぶなッ!!」

「いや……一瞬お前が藍田なのか〇藤誠なのか分からなくなってな」

 

 本当は和泉にサクっと包丁で刺してもらっても良かったんだぞ?

 

「怖いぞ!」

 

 この小説をスクール〇イズにしたくなければお前の努力が必要だな。

 

「あい……」

 

※※※

 

「はい……じゃあもうクソ茶番のせいで残り二十分だけど女捕まえてきてくれ……」

 

 でも結局女は捕まえて貰うんだな……。

 

「食い尽くしはしねえよ。性欲しょ……たった一人の彼女が出来ればそれで良い」

 

 もうその彼女を欲求を満たす為に使うのだけは確定なんだな……。

 

「というわけで行け」

「お前は?」

「俺はエロ本でも読んで待ってる」

 

 亀〇人か。

 

「負けた奴は晩御飯抜きにでもするか?」

「お前にその権限ねえだろ」

「いやじゃあ帰さなきゃ良いじゃん」

 

 普通に通報だな。

 

「良いから行け」

 

 強引だな。

 

※※※

 

 ゲーム開始。

 取り敢えず散開し、エアガンを手に駆け。

 たまに教師の監視から逃れる為に壁の後ろに隠れる。

 

「私は何をやらされてるんだ……」

 

 全部あの伊〇誠のせいだ。

 あとでボートの上であいつの生首を抱いて大声で笑ってやりたい。

 

「!」

 

 お……見つけた。

 仕方ねえ……やってやる。

 

「……ッ!」

 

 壁から飛び出し、銃を構えつつクラスメートに近付く。

 

「覚悟!」

「……!?」

 

 相手は気付いたようだが困惑している。

 終わりだ!

 

「ぬおあああああああああああああッ!!」

 

 あ……ありのまま今起こった事を話すぜ。

 私は奴に発砲する為に駆けていたら、いつの間にか落とし穴で一階へと落とされた。

 

「いだい……」

「大丈夫~? 貧乳」

「テメ……何しやがる……」

「ごめ~ん。あの変態教師をハメる為のトラップとして用意したらアンタが引っかかったの! ごめんね!」

 

 どう作ったんだよこの落とし穴。

 

「何か削岩機貸して貰ったからそれでやったよ」

「この学校に何で削岩機なんてあんだよ」

 

※※※

 

 取り敢えず二階へと戻る。

 

「はあ……」

「変態に遊ばれて災難だね~」

「お前らがちゃんと授業受ければこうなってねえんだよ」

 

 わざわざ自己紹介させられる始末だし。

 

「自己紹介?」

「ああ。藍田先生、ここ来たばっかだろ? だからみんなの事知りてえってさ」

「なるほどね」

 

 スタ子の催眠術もいつまで持つか分からないしな……早く諦めて欲しいぜ。

 

「あ……」

「?」

「私藍田の所に女運ばねえといけねえんだ。倒れてくれ」

「は?」

 

 ……撃ち倒した。

 

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