第三百三十五話 青の美剣士、久方ぶりの登場! その一


「くっ……」

 

 今の声は三栄のものではない。姉さんのだ。

 

「何をしに来た化け物」

「アンタ自分を無視してそれ言ってる?」

 

 正直どっちもどっちだそれに関しては。

 

「猫に当たったら僕は君を殺していたよ」

「私と猫どっちが大事なのよ!」

「猫だ」

「イカれてるわ……」

 

 正直お前と猫なら猫の命の方が高いだろ。

 

「は?」

「拳を振るおうとするようなら、僕はまた君を倒すが……どうする?」

「はあ……アンタも作中最強キャラの割に勝ち方が微妙よねえ」

「何が言いたい?」

「私は前拳しか使ってないけど、アンタ得物あるじゃない」

 

 ……お前も私にスナイパー役させてズルしてたじゃねえか。

 

「それなのにその勝ち誇り様……見ててイライラするのよね」

 

 私に言わせればあんなズルを私にやらせておいて負けたお前はダサい。

 

「アンタは黙ってて」

 

 やだ。

 

「ほう……僕が素手なら勝てるんだね?」

「当たり前よ」

 

 姉さんが手加減求める所初めて見た。

 

「……良いよ。拳で相手をしよう」

 

 何というか……もう見てて笑えてきた。

 例えるなら作者が友達とFPSやる時に、相手に武器制限させた時くらい。

 

「かかってきなさい」

「……」

 

 そして戦いは、

 舞う落ち葉が地に付くと共に始まった。

 

「はあっ!」

「ふっ!」

 

 二人の移動速度は言わずもがな竜の玉のキャラ並み。

 戦闘力一般人の私には勿論ヤ〇チャ視点でしかその様子を見る事が出来ない。

 

「てかヤ〇チャ視点っておかしくねえか?」

 

 リアルな話力の大会とか戦力外とは言え、一応Z戦士よあいつ。

 野球勝負の時は有能だったし。

 

「……私と同じだな」

 

 基本こういう戦闘シーンだと戦力外だし。

 

「暇だあ……」

 

 と言った瞬間。

 

「うわあああああああああああッ!」

 

 大きな爆発音を立てながら、姉さんが地面に頭から突き刺さった。

 

「でかい口叩いといてやられる時はあっさりだな」

「見てないで抜きなさいよ」

「あとでプリン奢るならいいぞ」

「最低ねアンタ。助けるのに見返りを要求するなんて」

 

 今までのお前にそれを言ってやりたい。

 

「もう良いわよ……はあッ!」

 

 再び大きな爆発音。

 地面が砕け、爆発の勢いに乗って姉さんが浮上する。

 その場で体勢を立て直す。

 

「ド〇クエの世界行っても大丈夫そうだな」

 

 ワンチャン今の爆発はメ〇ンテクラスだ。

 前回の章でメラゾー〇連発していたのでさえ、手加減のように見える。

 

「……まだ展開動きそうにないな」

 

 ヤム〇ャ視点での戦いは続く。すまんがここで一旦セーブしよう。

 

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