第三百十三話 遠藤と美咲(遠藤視点)
「……初さんに殺されましたわ」
「どういう事……?」
開始早々何を言ってらっしゃるこの子は……。
※※※
「えっと……その何があったの?」
「生き返ったんですわ」
あれ、ここドラ〇ンボールだっけ?
「違いますわ」
いやならなんでだよ。
「私が何度も死ぬからって作者さんが……」
美咲も苦労してんだな……。
「おいおい、こいつが死んだのはあくまで自己責任だぜ?」
初さん来ちゃったよ俺視点なのに。
「視点やるのも疲れるから今回は変わらなくて良いぜ」
「えー……」
俺借り物のキャラなのに良いのかよ。
「てか私視点じゃねえし、私がボケやって良い? その方が楽だし」
「初ちゃん最近淀子ちゃんに似てきたよね」
「あ?」
怖い怖い怖い……!
「いや、違うんだ初ちゃん! 淀子ちゃんみたいに美人になってきたって意味でね……」
「え……そ、そうか?」
実を言うと意外と初ちゃんは好みのタイプだ。普段は顔怖いけど普通に整ってるし、照れたり笑ったりすると可愛いし。
「……」
思考の中でしか喋ってないのにすげえ顔赤くなってる!?
「店長さん。あまりこの馬鹿を褒めないでください。見てて不快です」
「す、すまん」
やっぱり初ちゃんを毛嫌いしてるみたいだな。
「毛嫌いしてんなら何でこんな構ってくるかなあ……」
「貴女がこの世から消滅するまで私は諦めません」
「私が諦めるのを諦めろ」
火影になれた忍者かお前は。
※※※
「取り敢えず聞きたいんだけど、そんなに仲悪い理由は何なの?」
こういうのは両方の言い分を聞いて、互いの悪い所をきちんと謝罪し合うのが大切だと俺は思う。
「いや何か分からねえけど、事あるごとに私を抹殺しようとしてくる。爆弾とかで」
ば、爆弾……?
「頭悪くて人殺しそうな顔してる癖に、私にいつもテストで勝ってるのが気に食わないですわ」
美咲ちゃん、君も君で動機が酷いよ。
「なんか凄い残念そうですわね……」
「前の君は凄い苦労人そうに見えたけど、これ聞いて印象が変わっちゃってね」
やっぱり浅井三姉妹にまともなキャラを要求するのが間違いなんだろうか。
「どう考えても私はまともだろ」「どう考えても私はまともですわ」
それは違うよ。
※※※
「というか……じゃあお前はどういうのがまともな女なんだ?」
「そうですわ!」
なんで女の前で好きな女のタイプ言わなきゃいけねえの……?
これ場合によってはお前除外ハイサヨナラに該当する行為なんだよな……。
「いや知らねえよ」
まあこの二人だし良いか。
「そうだなあ、優しくて」
「貧乳で」
「俺より美味しい味噌汁が作れて」
「性格が良過ぎて」
「でも社長令嬢みたいな感じの」
「低身長」「天才」
混ぜるな!
「というか美咲ちゃんに至っては、完全に自分を盛っただろ!」
「盛ってないですわ」
自覚がない……。
「まあ遠藤……。こいつこういう奴だから、助ける必要ないぜ」
ちょっと考えさせて。
明日までに。
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