第二百八十三話 修学旅行 その十二


 最後は沖縄の有名な某水族館。

 

「あれ、初」

「お、貧乳」

 

 藍田。あとで絞め殺す。

 

「遠藤さんも一緒だったのか」

「いや何というか君達変態といたくなかった」

「今すごーいムカついたぞ俺」

 

 やめろ大人同士が水族館で喧嘩とかみっともねえ。

 

「てか藍田って案外普通に水族館回るんだな」

「何だよ俺が水族館普通に回ったらマズいのか?」

「いやあ職業柄解剖とか始めそうな気が

「ねえよ! 初テメエ、俺をどんなキャラにしてえんだ!」

 

 少なくとも変態は自分で付与した属性だからな。

 

「だから何で俺が変態扱いされなきゃいけねえんだ。普通に彼女想いの良い医者だろ?」

「彼女想いの良い医者は女子のバッグの中で息荒くしねえよ」

 

 しかも姉さんのバッグの中とか。

 自分の彼女のバッグの中に入れよ。

 

「バッグの中に入るのは良いのね」

「知らねえよこいつはもう神経回路逝ってるからこのツッコミで十分だ」

 

 私にも手を抜かせてくれ。

 

※※※

 

 まずはサンゴ礁への旅。沖縄の海の生物に触れあえる……というコーナーなのだが。

 

「作者」

 

 なんだよ。By作者

 

「うちのキャラって基本こういうのダメじゃなかったけ?」

 

 俺もダメだわ。初は? By作者

 

「私もだわ」

「何言ってんのよヒトデくらいで。触るわよ」

「やめろ馬鹿!」

「何よ」

「お前がやるとうっかり握りつぶしそうだからな」

「?」

 

 いや……キョトンとしてるけど私は何度かその光景を見てるしな。

 

「無理だよお姉ちゃん……」

 

 江代。お前は何故素に戻った?

 

「初ちゃん一緒に触ろ」

 

 無理だっつってんだろ和泉。

 

「触ってみろよ」

「嫌だよお前やれ」

 

 大の男の大人は何かもめてるし。

 というわけで浅井三姉妹キャラは海の生物には触れません。

 

「待ってよ私がまだ

「だからお前が触ったら潰れる!」

「何よ!」

 

 グキッ!

 

「足首をくじきましたッ!」

 

※※※

 

 いてえ……。

 

「初ちゃん大丈夫?」

「大丈夫じゃねえ……」

「私があの時のお返しでおんぶしてあげるから、大人しくしててね」

「はい……」

 

 和泉ってなんでこんな暖かいんだろ……。

 

「アンタもレズなんじゃないの?」

「黙れ姉さん」

「腕もくじいとく?」

「……すみません」

 

 間違っても私はレズじゃねえからな?

 

「そう言われると余計怪しいわ」

「ふっ……怪しい」

 

 フランスに旅立った羊みたいな事言ってる奴がいる。

 

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