第二百六十五話 体育祭 その八

来てしまった。自分のターンが。

 

「まあいい。もうやる事は一つだ」

「位置について! よーいドン!」

 

 私は美咲に近付き。

 

「悪い美咲。今日のズリネタ担当はお前だ」

「ゑ?」

 

 電光石火の勢いでパンツを盗んだ。

 

「すまん。これ持ってくわ」

「返しなさいですのぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

※※※

 

 はい。一位。

 

「は!? あいつが持ってる下着女物?」

「やっぱりあいつ」

 

 なんか私のレズ疑惑が上がり始めてるが。

 

「いやあのさ、これパンツ喰い競争だよな?」

「そうだ」

「女物のパンツを盗んじゃいけないなんてルール無いだろ?」

「なっ……」

 

 ルールの穴はとことん突いてくよ。

 

「一位浅井初選手!」

「当然だ」

「返しなさい!」

「てかお前! 下半身丸出しで走るな!」

「貴女に言われたくないですの!」

 

※※※

 

 数時間後。いくつか競技を終え、取り敢えずパンツは……。

 

「早く返してください!」

「お前体育祭終わるまでノーパンな」

「酷いですわ……」

 

 今までお前が私にしてきた事の方がひでえだろ。

 

『次の競技は、二年生全員による玉入れ合戦です!』

 

 さて、読者諸君。

 ここでまた普通の響きの競技が来て、作者のネタが尽きたとか思っただろう。

 悪いけど今回も断じてそう答える気はない。

 

「アレ取ってくるか」

 

※※※

 

 準備が終わり、そのまま列に並ぶ。まずはモブ集団……三組と四組の対決だ。

 

「それでは皆さん、玉を用意してください」

 

 今の台詞で察した方もいるんじゃないだろうか。

 この玉入れ合戦。最初から玉が用意されているわけではなく、自分で玉の代わりになるものを用意しなければならないのだ。

 

「私が持ってきたのは凄いぞ……」

 

 このモブの台詞は私じゃない。

 そして三組四組が持ってきた玉の一部がコレだ。一、二、三。

 ペイントボール、鉄球、ボーリングの玉、竜の玉……。

 

「って最後のは私にくれよ」

 

 姉さんを消し飛ばす。

 

「神以上の力があるから無理じゃないの?」

 

 しまった……。

 

「はじめ!」

 

 そのまま合戦の幕が開く。

 

「うおおおおおおおッ!」

 

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