第二百三十三話 文化祭 その五


『この厨二病は、単純だが只者では無かった』

 

「ギガウィンド!!」

「うおあッ!」

 

『警吏を木刀と魔法を駆使して、どんどん倒していく』

 

「超究〇神覇斬!!」

「うわあっ!」

「ぬあっ!」

 

 というか江代〇Fやってたんか……。

 

※※※

 

『しかし魔力が尽きてしまい、捕まってしまう。木刀を持っていたので、言い訳できなかった』

 

 てかあの機械そこまで再現してるのか……。

 

『江代は王様の前に引き出された』

 

※※※

 

『暴君ディオニスは威厳ある声で、こう言った』

 

「この木刀で何をするつもりであったか。言え!」

「幼子と幼女をロリショタコンの変態暴君から救うのだ。そして吾がそやつらにちゅっちゅっする」

 

 ……。

 

「お前がか? 仕方の無い奴じゃ。お前にはわしの性欲が分からぬ」

「ふっ、分かるぞ変態王」

「まことか?」

「ああ。子供を好きなように凌辱したい。そう思うのは当たり前だ。……だが吾には一つ許せぬ事がある」

「なんだと?」

「それは……貴様は何故、大人になった瞬間そやつを捨てるのだ!」

「?」

「良いか。その子が大人になっても、吾に甘えてくるのがより可愛いのではないか! 吾らに対する愛にも気付かず、ポイと捨てるような貴様を、吾は生かしておけん!」

「それが正当なやり方なのだと、わしに教えてくれたのはお前たちだ。ロリショタは中学生になった瞬間ジジババになる。愛してはならぬ」

 

 私はどこにツッコミを入れれば良いんだ?

 

「黙れ。貴様のような者に子供を語る資格はない。今ここで殺してやる」

 

 あれ、ここで終わるの?

 

「ママが」

 

 やめろ。

 

※※※

 

「口ではどんな清らかな事も言える。だがわしには人間の腸のそこが見え透いてならぬ。お前だって今に磔になってから泣いて詫びたって聞かぬぞ」

「あくまで吾を悪として処刑するか。なら仕方ない……処刑前に時間をくれぬか?」

 

 お、元の流れを取り戻したか?

 

「たった一人の我が家の妹に、亭主を持たせてやりたい。三日のうちに、吾が村で結婚式を上げさせ、戻ってきてやる」

「とんでもない嘘を言うわい。異常性癖のお前がそんな約束を

 

 お前が言うな。

 

「戻るさ。吾は約束を守る。吾を信じられないというなら、この街にいる吾の親友……セリヌンティウスを人質にするが良い。吾がもし戻ってこなければ、そやつを殺すが良い。しかし吾が戻ってきた時には、吾が貴様を殺してやる」

「よかろう」

 

 良いのかよ。

 

『生意気な事を言うわい。どうせ帰ってはこない。その友人を殺してやるのも気味が良い。異常性癖はこれだから信じられぬと悲しい顔をして、そやつを殺してやる』

 

「そういう事だ。今から親友を呼んでくるぞ変態」

「待っておるぞ変態」

 

※※※

 

『その夜、セリヌンティウスが呼ばれた』

 

「江代っちここどこ?」

「王城だ。貴様には今から人質になってもらう」

「へー何それ超ウケる! どゆこと?」

「吾が三日以内に戻らなければ、貴様は死ぬ」

「マジで? ヤバくね?」

 

『まあこやつの頭なら喜んで引き受けてくれるだろう』

 

「それより王様、木刀は返せ」

「へいへい」

 

 返すのかよ。

 

『殺そうとしても返り討ちにしてやる』

 

 絶対無理だな。

 私でも勝てないんだぞ。

 

「貧乳。それはお前がザコいからだ」

 

 今私の方見て言ったよな王様。

 劇終わったらお前を締め殺して磔にしてやる。

 

「浅井さんどうしたの?」

「な、何でもありません」

 

 この後どうなっちまうんだ?

 

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