第百九十八話 アイドル大会編 その二十四 ✝
そのまま吾らは四キロ歩き。
「あと一キロだよ、がんばろ!」
「ふっ、た、大したこと無かったな」
――ザザザ……。
「?」
「江代ちゃん?」
「いや、何か音がしてな……」
「優香ちゃんか淀子ちゃんか美咲ちゃん、正子ちゃんの内の誰かじゃない?」
「いや、どう考えても草の音じゃなかった」
例えで言うなら、テレビが映らなくなった時の音……。
「吾が嫌いなホラゲーでも聞く奴だぞ今の……」
そして現れた怖いゲームの主役に殺される……。
「ぎゃああああああああああああああッ!!」
死にたくないよぉ……怖いよぉ……。
「な……泣かないで江代ちゃん」
「うー……怖いよ~……」
心臓に悪いから殺すなら殺せ!
吾は覚悟が出来ておる!
「――ゴルァァァァァッ!!」
「「きゃあああああああああああああッ!!」」
※※※
頂上。
「……はぁ……はぁ……」
「全員揃ったわね」
「……うう……怖かったよ……」
「江代? どした?」
「おねえちゃぁん……」
「江代ちゃん泣かないで……」
畜生……吾を泣かせたあの者を……生かして帰さぬぞ。
「じゃねえだろッ!?」
「「「「「「ぎゃああああああああああああああああッ!!」」」」」」
※※※(初 視点)
はぁ……まったくもう……。
「あれ?」
「あんこら!」
「貴女誰ですの?」
「殺すぞクソ委員長」
「副会長よ!」
「どうでも良いわ! 三話も私の存在忘れやがって! こちとら熊に襲われたり虫に刺されまくったりとかとんでもねえ目に遭ったんだぞ!」
「私だってスズメバチに刺されましたわ!」
「どうでもええわ!」
この血塗れの身体を見て何も思わないテメエらは鬼か?
「いやそうは言われても読者には伝わらないと思うわよ」
「うるせえゴリラ! 熊もどうせテメエが呼んだんだろ!?」
「あ?」
「あ……」
※※※
「いや……そのマジですみませんでした……」
「分かれば良いのよ分かれば」
畜生マジで姉さん死ね。
「土に埋めるわよ」
「ぐう……」
「それより貴様……」
「なんだよクソ妹」
「貴様は吾を泣かしたな?」
「だから何だ?」
「ママに通報してもいい?」
「やめろォォォォォォッ!!」
物語中はハワイから絶対動かさないと決めたんだ!
「言う事があるだろう?」
「あ?」
「通報するぞ」
「すみませんでした……」
「ふっ……分かればよい」
なんでだ? 何で忘れられてた私が謝らされてんの?
「さーてナイトハイクが終わった所で、眠いし帰るわよ」
「そうね」
「おう淀子っち!」
「ふっ、布団が吾を待っている……」
「行こ行こ」
※※※
「なあ美咲……」
「何ですの?」
「私これから夕飯を買いに行こうとしてんだよ」
「だから?」
……。
「何でついてきてんの?」
「私は負けましたわ。だからお腹が空いてるんですの」
「お前ホント口調が安定しねえな」
「そんな愚痴は作者にしてくださいな」
結局こいつのキャラって何なの?
「はぁ……なあ美咲」
「何ですの?」
「私の扱いの悪さ、これではっきりしたろ?」
「……」
「だからこれを機に、私を狙おうなんて馬鹿な真似はやめてくれるか?」
「嫌ですわ」
「……」
私はエアガンを向ける。
「ななななんですの?」
「そうか。お前は悪魔か」
「ゑ?」
「ここで死ね」
「いやああああああああああッ!!」
ふぅ……すっとしたぜ。
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