第百九十三話 アイドル大会編 その十九


 いきなり強キャラと出くわしたか……。

 

「貧乳の銃士よ。地獄に落ちる前に言いたい事はあるか?」

 

 ノリノリだなあ……厨二病に魔法与えちゃやっぱダメだわ。

 仕方ないから合わせて演技するか。

 

「もはやこれまでらしいな……。だが闇の騎士よ、私も諦めて自刃するような愚かな女ではない。私を倒すつもりなら……」

 

 私は銃を突きつける。

 

「本気で来るが良い」

 

 半ば江代みたいになっちまったな。

 

「それでこそ……血を分けた我が姉。嬉しいぞ、吾の血を滾らせてくれ」

 

 ホントに楽しそうだな。

 

「あ、そうだ」

 

 捨てられてたのを回収して正解だったな。

 このマスクを着けて……。

 

「待て貴様……そのマスクは……ッ!」

 

 おーノリノリだなあ。

 

「違うぞそれはッ!」

 

 装着!

 

※※※ 江代視点に切り替わる

 

 さ……最悪だ。

 まさかまたあのマスクを着けてしまうとは……ッ!

 

「えへぇ……肉……食べたぁい……男のぉ……肉ぅ……」

 

 性欲モンスターへと覚醒したな……畜生。吾の木刀で戦えるのか?

 

「女の肉……いらない。殺す殺すッ!」

 

 怖い怖い怖い怖いッ!

 何で着けちゃったのおねえちゃんの馬鹿あ……。

 

「くっ……全力で行く!」

 

『→たたかう

  さくせん

  にげる

  しらべる』

 

 ふっ、竜殺し系ゲーム風なのは見逃してくれよ貴様ら。

 

『 こうげき

  じゅもん

 →とくぎ

  どうぐ

  ぼうぎょ

  ひっさつ』

 

『スラッシュモー〇ント(+B)』

 

 ふっ、吾の力を見せてやる!

 

「うおおおおおおおッ!!」

 

 木刀が閃くと同時、貧乳の銃士を何度も攻撃する。

 最後の一撃は、闇色の桜のエフェクトと共に放たれた。

 だが。

 

「甘いわよぉ……小娘ェっ!」

 

 ――いやあたしら同い年ッ!

 

 木刀を掴まれてしまう。

 

「わたしぉ……たおそぉなんてぇ……いぃどきょぉしてるわねぇ」

 

 読みづらいわ!

 SNSにたまにいる奴か貴様はッ!

 

「ふっ、闇の騎士が貴様のような淫獣を放置するわけが無かろう」

「いんじゅうなんてぇひっどーい♪ わたしぃ、ただおとこのこが食べたいだけなのぉ……」

 

 吐き気が凄いな……風を……風を……。

 

「風?」

 

 ふっ……良い事を思いついた。

 

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