第百九十一話 アイドル大会編 その十七

「いったーい……」

「なんで鉄骨渡りで一緒に走れると思ったんだよ」


 姉さんですらその発想はしないと思うぞ……。

 

「初っち、それだとウチが馬鹿みたいに聞こえるんだけど!」

「ゑ? 自覚無かったの?」

「酷い! ダチって信じてたのに!」

 

 いつからテメエと私はダチになったんだよ陽キャめ。

 テメエはろくでもない男に病気貰ってこい!

 

「優香さん、あまり不純異性交遊が過ぎるようなら私も許しませんよ」

 

 お前はまず素行を直せ。

 その為に頭の病気を治せ。

 

※※※

 

「次の修行はどうする?」

「そうねえ……うーん、午後は自主練にするわ。何か自分で考えてみて」

 

 雑だなおい。

 

「私の出番ね」

 

 あれ、どっち?

 

「淀子よ」

 

 お前らの口調似すぎてて文章じゃ判別出来ねえんだよ。

 

「殴るわよ」

 

 いや真面目な話そうだからなあ。

 

「この特訓は江代と初と美咲にやって欲しいんだけど、大丈夫?」

 

 なんでお前らサボるつもりなんだよ。

 

「ネタ的にアンタらでやった方が楽しそうだから」

 

 嫌な予感しかしねえ。

 

※※※

 

 姉さんと私、江代、美咲と共に移動したのは近くの山だ。

 マッピングとかしないと迷いそうな感じの。

 

「はい静かに~」

「教師か何か?」

「良いわね皆、これから私と和泉と優香、そして正子は夕飯の準備を始めるわ」

 

 は? お前がやんの?

 

「その間、チームの主力である皆には力を伸ばしてもらうわ」

「おう」

「で、今回やる事なんだけど……」

 

 姉さんは石に『淀』と書き、そのまま投げ飛ばした。

 数秒後……爆破音が響き渡った。

 

「ナンマンダブ」

「さっきの石を探してもらうわ」

 

 また竜の玉!?

 

「夜までに探せば大丈夫よ。負けた二人は晩御飯抜きね」

 

 てかこの場合一番強いの江代になってんだけど。

 

「そういうと思って、初と美咲には作者にさっき作ってもらったコレを渡すわ」

 

 姉さんが渡してきたのは私の絵が書かれたカードだ。

 下にはHPとSP、その下にアビリティと必殺技を書く欄が。

 一見するとスマホアプリのカードのようでもある。

 

「これは……?」

「これはキャラカードよ。これを持ってる間はソシャゲのキャラみたいに戦う事が出来るのよ」

 

 もう作者何者なのか分かんねえよ。

 

「取り敢えず次回までに必殺技書いておいて」

 

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