第百八十五話 アイドル大会編 その十一


「「くー……くー……」」

 

 何だかんだで二人で寝てしまった。

 どうせ起きたら姉さんに『レズゴッド』呼ばわりされるんだろうけど。

 

「違うわよ『万年発情期処女の極み(レズ)ゴッド』よ」

 

 どっちでもええわ。

 

「て起きてんのかよ。早く寝ろ」

「アンタもね」

 

 うぜえ。

 

※※※

 

「……くーくー……」

 

 でもよく考えたら、和泉の身体ちょっと暖かいかも……。

 

「えへへ……初ちゃんには負けるよ~……」

 

 寝言か。

 

「……初ちゃん……」

 

 ……。

 

「仕方ないな……」

 

 ぎゅっ……。

 

「今回だけだぞ」

「えへへありがとう……」

 

「ツンレズか?」

「姉さん死ね」

「あ?」

 

 あ……。

 

※※※

 

 殴られた。

 

「いてえ……」

「大丈夫?」

「平気だ」

 

 平気じゃねえ……。

 

「酷いよね……」

「うん」

「初ちゃんは私のだから……他の人の所に行っちゃだめだよ」

 

 だが断る。

 

「冷やしちゃうよ?」

「どういう意味……?」

 

 和泉は包丁を取り出す。

 

「……」

 

 いやあああああああああああッ!!

 

「えへへ……冗談だよ」

「そ、そうか……」

 

 ……怖いよお。

 

※※※

 

「ようやく寝たか……」

 

 長かったが、これでちゃんと眠れる……。

 

「ふぅ……」

「お楽しみの時間ですわね」

 

 ゑ?

 

「美咲……?」

「今がチャンスです。今こそ、にっくき浅井三姉妹をこの世から葬る時……」

 

 和泉の包丁を持って何かを言ってる奴がいるんだけどォォォォ!

 

「さあ……永遠の眠りへ!」

「危ねえ!」

 

「牙〇・零式!」

 

「ぶべらっ!」

 

 ……?

 

「ふっ……またつまらぬことをしてしまった……」

 

 江代か……。

 

「ありがと江代……まさかお前に感謝する日が来るとはな」

「勘違いするな。吾はただ、トイレに行きたかっただけだ……」

 

 ……ごめん……ツッコまないからさ。

 

「江代、着替え取ってくるよ……」

「どうしてだよぉお!!」

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