第百六十四話 キャンプ その二


「ただいま」

 

 バイクより早っ。

 

「私もスピードには自信があるのよ。今のは瞬間移動とまではいかないけど」

 

 今のは……?

 

「え、私瞬間移動やろうと思えば出来るわよ」

 

 やらんでいいやらんでいい。

 

「てかなんでそんなチート能力持ちなのに、三栄に負けるわけ……?」

「次は勝ってやるわよ」

「正直勝たなくて良い……」

 

 犠牲者が増え続ける一方だし……。

 

「まあ良いわ。とっとと始めましょ」

「へいへい……」

 

※※※

 

 数分後。

 

「はい完成」

「姉さんの移動って便利だな」

「あとで百万ね」

「は?」

 

 冗談じゃねえぞ……そもそもこの移動、※の間にお前が部品何回か壊したからだからな?

 

「私をタクシーか何かだと勘違いしてるみたいだし」

「タクシーだと思ってます。悪いですか?」

「ふーん殺すわよ」

 

 世とは常に理不尽である。

 

「理不尽と戦えないようじゃ、アンタもまだまだね」

「お前の理不尽は超次元だけどな」

 

※※※

 

「さて……テント完成したけどどうするのよ?」

「私に聞くなよ……。取り敢えず夕食の準備じゃねえか? カレー作り」

「ふっ、カレーか。任せておけ食材は

「あ、いらない」

「聞けよォォォォッ!!」

 

 二章のゲテモノはもういらない。

 

「何故だッ!」

「いや一々説明する必要あるのかこれ」

「私なら食べるわよ」

「お前はもうどうでも良いや」

 

 人肉も食えるんじゃ仕方ない。

 

「ちゃんとした食材用意しなきゃね」

「だな。頼んだぞタクシー」

「あ?」

 

※※※

 

「初、頼むわよ」

「ういっす……」

 

 殴られた。

 

「大体ここからスーパーまで何キロあると思ってんだよ……」

 

 ……無心で歩かねば……。

 

「暑い……」

 

 あれ……?

 なんか人が歩いてるように見える~。

 

「先輩~?」

 

 なんで全裸なの~?

 

「暑がってる私に、欲情したんですか~?」

 

 しょうがないな~。

 

「一回だけですよ~?」

 

 こんな事、この章で一回あった気がするけど……まあ良いや。

 

「今度こそ先輩と私は……」

 

 ピーポーピーポー♪

 

※※※

 

「……あれ?」

 

 今度は牢屋にいる……?

 

「お、嬢ちゃん起きたの?」

 

 警察?

 

「ゑ?」

 

 何で捕まってんの?

 

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