第百四話 厨二ドクター その二


 ここは〇×記念病院。

 全国レベルで見ても、腕の良い医者が集められた場所として有名だ。

 そんな凄い病院には、規格外の医者がいるという。

 

「ふっ、吾の出番か」

 

 今日もまた、彼女は患者を救う。

 

※※※

 

 胃癌患者を救った江代。

 しかし次に現れたのは……。

 

「貴方、浅井江代ね?」

「貴様……『めんどいクソ委員長』」

「副会長よ! てかここでは美咲さんと呼びなさい! 一応患者だから」

 

 眼鏡を掛けた三つ編みのクソ会長だ。

 

「地の文まで私をいじるってどういう事よ!」

 

※※※

 

「それで……何の用だ?」

「なんで私って分かった瞬間無気力になるのよ……」

「自覚が無いのか貴様」

「無いわよ。生徒会副会長として当然の仕事をしてきただけじゃない」

「当然の仕事じゃないから、こうして呆れているのだ分からぬのか」

 

 まったく、無自覚とは恐ろしいな。

 

「そう設定したのは貴様だがな」

 

 おいやめろ。

 

※※※

 

「症状はどうなんだ? まあ貴様の事だから頭の病気か何かだろう」

「貴方も十分頭の病気よね」

「貴様ほどではないさ」

 

 まあ江代の方がマシだな。

 

「ちょっと黙ってなさい作者さん」

 

 無理に決まってんだろ初もいねえのに。

 

「案ずるな。吾がいる」

 

 お前はダメだ。

 

「私は生徒会副会長よ。その私がダメなわけ

 

 だからお前は論外。

 

「どうしてだよぉお!!」

「貴様! それは吾の持ちネタだぞ!!」

 

※※※

 

「なるほど、胃潰瘍か」

「そうよ。今度試験なのに……。こうなったのも絶対浅井初さんのせいよ」

「なるほどな。貧乳の銃士のせいか」

「……」

「なら仕方あるまい」

「え?」

「だが手術するにはまだ段階が早いな。まずは薬物治療で経過を見よう」

「ありがとうございます!」

 

 数分後。

 

「ふっ……まんまと騙されおって……」

 

 え、江代さん?

 

「吾が奴の治療をするわけが無かろう。いくら貧乳の銃士のせいとは言え……な」

 

 というと?

 

「吾が渡したのは、下剤だ……」

 

 ゑ。

 

「今まで吾を何回か殺そうとしたからな……。さあ、苦しむが良い……。ふふふ……ふははははははッ!!」

 

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