第百二話 I WANNA BE THE HINNYU GUNNER! その八
「タバスコの量はどれくらいですか?」
タバスコの量で席分かれねえよ。
しかも某芸人のネタ丸パクリじゃねえか。
「ちょっと何考えてるか分からない」
だからモブが思考読み取るな!
※※※
はぁ……。
「ホントに大丈夫……?」
「あ、はい! 大丈夫です!」
店の人、絶対姉さんが配置したな……?
※※※(実況部屋)
「淀子よ」
「なーに?」
「流石に読者殺すのはやめた方が……」
「あらすじでも言ったわよね。『ここでは私達がルール』なのよ。口出しは死刑よ」
「貴重な読者が死んだら評価されるもんもされないでしょうが!」
「十が九に減ってもあんま気付かないのと同じじゃない。例えばこの後作者がこの場から消えても気付かないわよ」
「気付くよ! 気付いてくれよ!」
「途中から願望よねそれ」
「うう……」
「アンタツッコミとしては無能ね」
※※※
「あれ?」
「? どうしたんですか先輩」
「メニューがちょっとおかしくてね」
……おい、嘘だろ。
「どういう事です?」
「ちょっとこれ見てよ」
「はい」
『冷蔵庫にメニューが冷やしてあります。外れです』
《GAME OVER》《PRESS “R” TO TRY AGAIN》
メニュー細工されてたァァァァァァァッ!!
※※※ TAKE 3
何とか本物のメニューがある席にたどり着いた。
「ご注文はお決まりですか?」
「はい、僕はシーフードフライプレートで」
先輩は肉より魚派……♪
「浅井さんは?」
「じゃあ私も同じので!」
先輩と結婚したら、毎晩お魚を焼いてあげよう。
(作者的には魚臭いイケメンってどうなのよ)
(俺魚好きだけど、魚臭いってのがどういう感覚なのかよく分かんねえんだよ)
鼻悪いからな。
(いつか花粉症とかアレルギーが治る薬とか出ないかなあ。抑制剤とかでなく)
どうでもええわ。
「お待たせしました」
※※※
「……よし。いただきます」
料理は何と言う事もない。ちゃんとメニュー通りのものがきた。
食事はゆっくりとれそうだ。
※※※(実況部屋)
「今昼飯シーンだから聞くけど、作者ってカフェとか行くの?」
「ごめん……カフェって何? あれって友達がいたり、彼女がいたりする人が行く所でしょ? そんな場所に俺が行くわけないじゃないか」
「何か傷えぐったみたいだけど、私はあるわよ」
「お前友達いなさそうなのに?」
「あ?」
「ぐおあっ!!」
無言のボディーブロー。
「アンタよりはいるわよ。私みたいな美少女がぼっちなわけないじゃない」
「まあ俺もぼっちかと言われれば違うが」
「コメダとかまた行きたいのよね~」
「つか俺、カフェとか頻繁に行くような三次元の女子高生にあまり好意を抱かない」
「何でよ」
「基本うるさいから。特に女子高の奴ら」
「私は大丈夫よ」
「はっきり言ってお前は典型の中の典型だと思うが」
「私は二次元だからセーフね」
「お前が三次元にいたら確実に嫌いになるがな」
「死ね」
「――あああァァァァッ!!」
「えー、小説内で不適切な表現があった事を謝罪するわね。一旦CM入りまーす」
「ねーよCM」
※※※
特に何事もなく、そのまま夜になった。もう出すネタも無くなったのだろうか。
「楽しかったね、浅井さん」
「……はい!」
バス停の停留所まで足を運ぶ。
私と先輩の家は逆方面。もし私が一歩踏み出せなければ、ここでデートは終わりだ。
「あの……ッ!」
「どうしたの?」
「その……ッ!」
駄目だ……口から出ねえ。
言えよ浅井初。言うだけでお前は、処女を卒業出来るんだぞ。
行け……行くんだ!
「先輩……私、私は……」
「うん……」
よーし……あともう少し。もう少しだ。
「せ、先輩と……」
「つきあ
「もうバス来たね。ごめん、また今度話そうよ」
「ゑ」
《GAME OVER》《PRESS “R” TO TRY AGAIN》
※※※(実況部屋)
「結局ダメね」
「お前本当に勘良すぎだろ」
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