第七十五話 初とゲーセン その二


 やべえ……どうしたら良いんだ?

 これ何パーセントくらい私が悪いんだ?

 

「あの、大丈夫か?」

「大丈夫じゃねえェェェェェェよ!! 折角あの女手に入れて童貞卒したのに! おめえのせいで全部パーだッ!」

「そんなクズな動機で付き合ってたらそうなるわ」

 

 彼氏彼女いない奴に言っておこう。こんな感じで焦って彼氏彼女作ったらこの男みたいになるから、ちゃんと好きになった奴と付き合えよ。

 

「あれ、もしかして嫉妬?」

「殺して良いか?」

「すみません」

「テメエはまだ良いだろうが。私なんて高校二年になっても処女だからな」

「あの、俺一応高一だから暴力は……」

「高一で童貞卒だと? 分かったすぐ殺そうどこ撃ってほしい?」

「落ち着けェェェッ! てか目つき怖い!」

「あんだとゴルァッ! テメエに三白眼の気持ちが分かるかッ!?」

「知らないよ」

「あとで殺すわ」

「分かったなんか奢ってやるから」

 

※※※

 

 物で釣るなんて最悪だし、そんなものに引っかかる奴なんて普通いない。全く……。誰があんな台詞に引っかかるんだ?

 

「ここのプリン超うめえな!」

 

 私だ。

(お前だったのか)

 作者……お前は黙ってな?

 

「全く……恥ずかしくねえのかよ。高二が高一に飯奢ってもらうなんてさ」

「私姉貴に金盗られてばっかで何もしてもらってねえから、誰かに何か奢ってもらうのすげえ久しぶりなんだよ」

「姉さんどんな奴?」

「美人の恰好をしたゴリラ」

「ほへー。床上手?」

「お前ぶっ殺されるぞ。しかもあのゴリラも処女だし」

「アンタも人の事言えねえだろ。貧乳」

「撃ち殺すぞ?」

「プリンのお代わりあげるから」

 

 やったー♪

 

「てかさ、何のために俺に近付いたの? これじゃただアンタにプリン奢っただけになるんだけど」

「謝りに行こうとしたら失礼な態度を取られたから、謝罪としてプリンを頂いている所だ。分かったかクズ男」

「プリン代返せ」

「だが断る」

「あぁんまりだァァァァァッ!!」

 

※※※

 

「ありがとうございました」

「はあ~……」

 

 どうしたんだろ。凄い元気が無さそうに見える。

 

「いやアンタのせいだからなッ!? アンタのせいでラブホ代消えたよ!」

「遂にモブまで地の文に突っ込んできただと!?」

「はぁ~……お前さえいなければ、今頃あいつと〇〇〇とか×××××とかしてたのに……」

「△△△は?」

「する予定」

 

 いやツッコめよ馬鹿野郎。

 

「元気出せよ。あいつとか私よりいい女なんて、この世にぞろぞろいる。三十五億人もな」

「ブルゾンち〇みかアンタは」

「そうそう。だから、焦る必要なんざねえよ。本当に好きな奴と付き合え」

「浅井さん……」

「ああ」

「……」

 

「じゃあプリン代のお返しとして、一発セ〇〇〇させてくださ

「死ね」

 

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