第二十四話 教えて下さい


 ただ歌を歌っているだけなら、どれだけ楽だったろうか……。

 

「ボエー!!」

「ああああああああ!! やめろォォォォォ!」

 

 今の状況を簡単に説明するなら、九人のジャイ〇ンがマイクを握って歌っている感じだ。

 騒音で窓ガラスは割れ、涼しい風が流れ込んでいるというのに、頭はどんどん気持ち悪くなっていく。

 やっと終わった頃には、

 

「……ジャ〇アンが一匹……ジャ〇アンが二匹」

 

 私のSAN値がゼロになりかけていた。

 

※※※

 

「なァンてことしてくれたんですかねええええええええ!?」

「どうしたの、初さん」

「自覚無しかこの野郎! 著作権侵害だけでも重大な罪なのに、それを〇ャイアンボイスで歌ったんだぞ!? 全国のファンと私に謝れ! 黒澤〇ビィちゃん推しの私に謝れええええええッ!!」

「それで私達、優勝出来そうかな?」

「人の話聞いてる!? 十段階評価で『一』だよてめえらは! 問答無用で留年レベルだよ!!」

 

 因みに大学だと『優』『良』『可』『不可』となるらしい。詳しくは知らんが。

 

「な……何故!?」

「まずお前ら一旦鏡を見て来い!! 今のお前らをイラストや映像化したら間違いなく抹殺されるから!」

 

 全部モザイクが必要な状況です。

 

「あれはネタだから許されるが、マジでアイドルやろうとしてる奴らがその有様はマズいぞ」

「言いたい事は、それだけか?」

 

 あれ、この流れ。

 

「悪い、話長くて半分以上聞いてな

「〇魂の台詞使うな馬鹿野郎」

 

 しかもよりによってカッコいい〇さんの台詞だし。

 

「あとお前ら、罪を重ね過ぎだ! 自分の罪の数を数えてみろ!」

「じゃあ聞くけど、アンタ今までに喰ったパンの枚数覚えてるの?」

「パンは114514枚。ご飯は1919810杯。和食派だ! これで良いか?」

「すまないホモは帰ってくれないか?」

「私は女だボケ!」

 

 しかも私二十話の事忘れられなくて辛いからやめい。

 

※※※

 

「まあ簡単に言えば……てめえらは論外だ」

「なぁんでだよォ!?」

「それ江代の持ちネタだからやめて!? あいつが知ったら泣くから!」

「じゃあどうすれば良いんだ?」

「レッツ高須ク〇ニック」

「肝心な部分隠れてないわよ」

「あ、すんません」

 

 さて、もう帰ろう。

 

「あ、待ってください!」

「なんだよ!? ハツチカはおうちに帰る!!!」

「浅井初さん! 私と共にアイドルを!」

「やらねえよ!?」

 

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