第三話 三女・浅井江代の生態


「馬鹿な……。吾の闇を持ってしても、貴様を倒すには足りないというのか……ッ」

 

 ……。

 

「そこにいたか、貧乳の銃士!!」

 

 ……。

 

「吾に力を……ゲームを買えるだけの力をくれ!!」

 

 ついにボロ出したよこいつ。

 こいつは妹。妹の名前は浅井江代。

 今はそんな妹とゲーム屋に来ているのだが、客の視線が痛過ぎる。

 

「なあ、客の視線が痛いしいい加減にしてくれない?」

「だが断る。この吾が最も嫌いな事の一つは、吾より乳が貧相な女に命令される事だ」

「お前を挽肉にして今日の夕飯にすんぞゴラ」

「だが断る」

 

 ワンパターンかよ。

 

「大体なんで巨乳が天下なんだよこの世は。いつか貧乳がモテる世に変えてやる!」

「ふっ……貴様の理想は痛いな」

 

 こんな特大ブーメラン初めて投げつけられたわ。

 

「んで……どうすんだよ」

「簡単な事だ。貴様が力を貸せば

「KO☆TO☆WA☆RU」

 

「――何故ッ!! 何故世界は、吾に非常なのだ!? 吾は日々戦っている。それなのに、それなのに――ッ!!」

 

 ……。

 

「いや続かねえのかよ!?」

 

 カッコ悪いにも程があるぞ……。

 

「うくっ……ひっく……」

 

 おい待て。何で涙目なんだ?

 またあのパターンか?

 

「うわあああああああああんッ!!」

 

 ……あ、やべえ、やっちまった。

 

「やだやだやだッ!! あたし前からあのソフト欲しかったの!! お姉ちゃん買ってよォォォォッ!!」

 

 視線がヤバい! 痛い!

 

「おいマジで泣くのやめろッ!!」

「うわあああああああん!! お姉ちゃんがいじめるよぉぉぉぉッ!!」

 

 ――あれ、女の子が泣いてるぞ?

 ――結構可愛いし、おっばいもでかいな。

 ――泣かせたのは誰だ?

 ――あ、あそこの貧乳じゃないか?

 ――そうよ!! 最低ね!!

 ――貧乳の癖に調子乗んな!!

 

「……」

 

 取り敢えずさ、私も一言言いたいよ。

 

「誰か私も擁護してよおおおおはああはあああああああああん!!」

 

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