ホクロ

ホクロ、というのはさりげなくそこにある。

誰も気付かない場所にあったりする。

気付けば気付くほど、大きな物であったり、小さな物だったりする。だが、そもそもの大きさなんてものはあまり関係がない。

大きければ良いという訳でもなく、小さければ良いという訳でもない。

個体差、こそが重要視するべき存在。


人間と似たような部分がある。

気付けば気付くほど大きな物でもあったり、小さな物でもあったりする。


人間という存在は、常に進化を遂げてきた。

人から人へと「文化」は繋がり、それに応じて人の個体差が生まれてきた。


そんな中、発見を続けながら生活をしていて、非常に残念だと思うことがある。「個体差」を重視する余り、他人を貶す人間が出てくるという事。

「個体差」こそが人の個性であり、良いところでは無いのかと。

それを「正論」として指摘すれば今度は自分が貶される、そんな思いからか口に出さない人間も少なくは無い。


仕方のない事なのかもしれない。悲しい事実ではあるが、他人が卑下されているのを見て、自分が同じ目に逢いたいと思う人間は決して多くはない。


もし、どちらかの当事者に立ったのであれば、考えて欲しいことがある。

自分の「個性」を剥がされ、否定され、酷い目に遭わされたら、と。


嫌な筈、今すぐ言い返したいと思う筈。

忘れないでいて欲しい。

「個性」というのはホクロのように小さく、個体差があり、場所や大きさによっては自分の武器になるということを。


闘って欲しい、他人を貶す人間と。

自分の価値がどれ程のものか、見せつけて欲しい。

出来た暁には大きく主張して欲しい。

「私の個性は素晴らしい」と。


そのホクロのような、小さいくも大きい「個性」を。

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