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それから私達は、今後について何日も話し合った。

夫は、もしリツと私が上手くいかなかったら、今まで通り私が居る日は自宅へ戻ると言ってくれた。

私が寂しくないように。


「大丈夫よ。リツ以外にもアテはあるから」


「さすがです、ココさん…」


夫のお相手は私の気持ちを最優先にして欲しいと言っているらしい。家も、経済的にも夫の面倒は全てみてくれるそうで、夫の収入は今まで通り私に入る。ずいぶん懐の深い人だ。


「あと、子供達にとって、僕達は今まで通り親であること」


「そうね」


「それと、何かあったら遠慮せずに連絡して。僕達は家族なんだから」


「はい」


「最後に、もし歳を取ってお互い一人だったら──また一緒に住まないか?」


「ふふ、考えておくわ」



三人の息子達はイギリスで一緒に暮らしている。

長男はエンジニア

次男はバンドマン

三男はまだ大学生だ。

私と夫は、息子達にSkypで報告することにした。


「みんな揃ってる?」


「はーい、揃ってるよ」


「初めに言っておく。私達はキミ達を愛しているし、私は妻を愛しているし、彼女も僕を愛してくれている」


「どうしたの急に?」


「二人でよく話し合った結果なんだ。別居しようと思う」


「離婚するってこと?」


「離婚はしない。僕達は今まで通り家族だ」


「あー……。二人の新しい門出ってこと?」


「そうよ」


「おめでとう!」


パチパチ……拍手で受け入れてくれた。


「俺達をここまで育ててくれたんだから、後は自由に生きて欲しい」


「ありがとう。さすが我が息子達!」



夫は少し涙ぐんでいた。



みんなで乾杯をして久しぶりにいろいろ報告しあった。そして、ちょうど夏休みなので三人で日本に里帰りして、その後、夫が家を出ることになった。

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