総帥の贖罪
「侵略されたら酷いことになる。だから戦わなければならない」
雄弁を繰り返すその人は、綺麗な指をしていた。
私は、涙を流した。
私に手足はない。我が子は銃弾に殺された。
「民衆に戦えと謳うのは、戦ったことがない人間が吐く戯言だ」
そう気づくまでに、時間がかかりすぎたのだ。
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