イチゴの花
「土を触っていると、教室での嫌なことも忘れられるの」
山田さんは、咲いたばかりのイチゴの花を愛でながら言った。
「命の洗濯だね」
「むしろ泥だらけになるけどね」
採りたての野菜を台車に積んで、僕らは校舎まで歩いた。
「東京の学校には菜園部なんてないだろうな」
山田さんは、そっと呟いた。
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