第40話 “戦闘龍”グレンVS“鉄血の”ボルゾフ
城塞内に重い打撃音が響き渡る。
“鉄血の”ボルゾフの巨大な戦斧より繰り出される斬撃は、確実にグレンを捉えていた。
グレンは右腕に構える大楯でそれらを防ぐが、攻勢には出られない。
傍目に見れば、グレンが一方的に押されているように見えるだろう。
「ヴォルゲンさん・・・大丈夫何ですか隊長は・・・完全に押されていますが」
「問題無い、隊長は一発もまともには食らっていないからな」
「いや、あんなのを何発もやられたら、いくら隊長でも・・・」
「静かに、見ていろ」
「・・・はい」
ヴォルゲンの言った通り、グレンは的確に斬撃を受け流し、反撃の機会を伺っていた。
ボルゾフの斬撃は、一撃一撃が並みの盾や甲冑なら一瞬で破砕される威力があるが、グレンの武具はそうは為らなかった。
怪力のグレンに合わせて造られたその鎧兜は、まともな鉄の厚さではない。
斧も、盾も、グレン専用の特注品だ。
無論第一には、グレン自身の強靭なる武力によるものである。
「どうした“戦闘龍”!!受けてばかりなのか!?それでは私を討つ事など出来んぞ!!」
全く打ってこないグレンに、痺れを切らしたボルゾフが叫ぶ。
「・・・・・・」
グレンが何かを口にしたが、ボルゾフには聞き取れなかった。
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