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美逢

1 僕の人生に彩を

また、一日が終わろうとしてる。

学校に行って、家に帰ってボーッとして。

こんな毎日でよいわけがないのは分かってる。

来年は受験生。

分かってる。分かってるけど。


通学路の途中の公園のブランコに腰掛ける。

地面を軽く蹴っただけで、揺れ動く。


空を見上げた。

雲ひとつない快晴だった。


「ねぇ、なに考えてるの?」


後ろからの声に驚き、ブランコから落ちそうになる。


「ごめん、驚かせちゃった?おんなじクラスの、相原君でしょう?なんか、考え事があるぅー!って顔してたけど平気?」


「え、っと、平気。えと、なんか、今日も疲れたなぁって思って。」


女子と喋る回数が極端に少ない僕は緊張してか、全く上手く喋る事が出来なかった。

それどころか、早くこの場から去らなきゃという焦りから


「えっと、僕、これからがっこ…じゃなくって家帰るから、えと、またね?」


なんて、間違いをしてしまったから恥ずかしい。


「あれ?帰るの?じゃあ一緒に帰ろう!」


予想外の答えが帰ってきた。

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この物語にタイトルを 美逢 @maimai_eater

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