遠くのあなた

おぼろげにくうを見つめる、口を窄める。

皺だらけの痩せ細った冷えた手を握っても、言葉は返ってこない。

こぼれる寝息、意味はない。

流れるテレビのコマーシャル、揺れるカーテン、いつもと変わらない。

つらくない?

早く逢いたい?

逢えるよ、近いうちに。

生と死の香りが漂う個室、貴女の寝息は止まらない。

貴女にもらったチョコと萎れた鶴の折り紙、今はもうない。

貴女にもらった言葉だけが、埃をかぶって泣いている。今日だけでも、思い出を抱きとめたい。

あの頃を思い出を覚えているのは、私だけだから。

さあ、あの時と同じように、数えるよ。

ひとつハナふたつトゥルみっつセッよっつネッいつつタソむっつヨソななつイルゴやっつヨドルここのつアホとおヨル───

おやすみなさい좋은 꿈 꾸세요

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