心の窓、作ります

心臓に窓を付けたいと思います。

ということで、心臓を切ります。ナイフをください。もしくはメス。


「なんで窓を付けるの?」


窓から、厭な事を投げ出すのです。ぽぽいのぽーい、と。

良い事だけを大切に保管して残しておくのです。素晴らしい考えでしょう?


「天才だね!!! 凄いや」


でしょう? どんな窓が良いかしら?


「四角いのが良いじゃないの? シンプル・イズ・ザ・ベスト」


そうね、そうね。そうしましょう。

さあ、てと。ナイフ、ナイフ。よし準備オッケー。レッツゴー。


ブスッ


ああ、イててて......。痛いよう、痛いよう。涙で前が見えないよう。痛いよう、イたあいよう。


「あら、あら。窓はどうするの? やめちゃうの?」


んんん......。やめないよう。やめちゃだめだ。ガマンするよう。


「よしよし」


うふふ。私頑張るわ。


「期待しているわ」


ああ、痛いわあ。血が溢れ出して来た。


「血じゃないわよ。貴方の言っていた、厭な事よ」


あら、そうなのね。知らなかったわ。厭な事って、真っ赤なのね。ドロドロしているわ。


「そうなのよ。知らなかったのかい? 知る事が出来て良かったわね」


ええ、有難う。ううう、あああ、辛いわあ、辛ぁいわあ。


「幸せの間違いじゃないの? 漢字も分からなくなっちゃったの?」


ああ、間違えっちゃったわあ。ごめんなさいね。


「ねえ、手止まっているわよ」


休憩しているの。疲れちゃって。


「えぇ、後もう少しで完成なのに?」


あら、あら


そうなのね。気付かなかったわあ。有難うね。


「いえいえ。頑張って完成させてね」


頑張るわ。んっしょ、んっしょ。


「そうそう。さあ、後もう少しよ。まあ、完成したわッ!!! さあ、後は窓を開けるだけよ」


んっしょ、と。ああ、出来たわ、出来たわ。


「さて、この後はどうするの?」


ええっと、何だっけ?


「高い所のてっぺんから飛ぶんでしょう? だって、厭な事が全部なくなってしまったもの。貴方はもう自由よ」


ええ、ああ、そうだったわね。飛ぶんだったわ。忘れる所だった。有り難うね。


「いえいえ、頑張ってくださいね。飛べるよう、応援してますね」


有り難うねえ。私頑張るわ。


「ええ、頑張ってください」


私は飛べるわ。さあ、ジャンプ!!!! 足が地面から離れたわあ!!!!すごい、すごい。私飛んでるわ。


「飛べる訳無いでしょう? バカじゃないの?」


あら、あら?どうい

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