希望の珠10 邪悪な罠
ネーバ星に信の珠、地下大阪城に犬坂を残し、
八個の珠、七人の犬士が魔界へ攻め込む総力戦を仕掛ける事となった。
乙姫を救出し玉梓を退治すれば勝ち。
ネーバ星から富士山頂に戻った犬神、タルナーダは狛ちゃんバイクに八個の珠を収容させて枕返しと共に魔界へ落ちていく。
犬影は上空のステルスUFOからその様子を見ていた。
犬影の標的は玉梓だけではない。
犬神達は地下で東犬と合流すると先行組の方角へと急いだ。
前方にはのろしの様に霧が立ち込めている。
■
先行組はすでに吸血鬼と会敵し、
そしてなぜか逃げ続けていた。
里見は死なない程度に吸血鬼の足を斬り全力疾走で逃げる。
犬塚は霧の中を逃げている。
なぜなら魔界で始めて襲い掛かってきた吸血鬼を令和の剣で斬った時に、
自殺されてしまったからだった。
その辺の木で自身の胸に杭を打っての消滅。
それは令和の剣に効果があった事を証明しているだが。
しかし無残に自殺されては使えない。
大勢襲い掛かってきた事で話す余裕もなかった。
魔界で誰も殺せない戦いが始まった。
■
亀姫と陽子天狗は上空から乙姫の匂いの元へ確実に近づいていた。
それは吸血鬼達の来る方向とも一致している。
ひらけた場所に十字架に縛られた女吸血鬼を見つけた。
口にはマスクが付けられている。
亀姫「乙姫の匂いが女吸血鬼のマスクから漏れ出しています。」
陽子天狗「それって大丈夫なの?」
亀姫「いつまでもつかどうか」
陽子天狗「ちょっと聞いてくる」
陽子は吸血鬼に化けて十字架を守る護衛吸血鬼に話しかけた。
陽子吸血鬼「ちょっと、あの十字架はどうゆう事?」
護衛吸血鬼「何をいまさら、、」
陽子吸血鬼「話しなさい。」
陽子の影が巨大な九尾狐の形に揺らめいた。
護衛吸血鬼「われらが母の始祖吸血鬼ルナ様は、
玉梓に捕らえられ十字架に縛られてコウモリ化を封じられ、
口もマスクで封じられている。」
陽子吸血鬼「助けないの?」
護衛吸血鬼「不審な動きを見せれば、
十字架から杭が出てルナ様は死んでしまう」
玉梓は犬士の正義を汚そうとしている。
それが伏姫に仇をなす唯一の方法だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます