移民編11 勝ち負け

ミカエル、タルナーダには天狗が二体加勢し、

タルナーダが押され始めた。


天狗の金剛杖が恐ろしい勢いで振るわれる。

ミカエルの斬撃よりも天狗棒術の方が鋭く、変幻自在。

幸い河童の硬質化で全て無効化できる。


なんの技も無いビームサーベルの方が防御不能だった。

そこへ犬塚が応援に向かう。


天狗の片方が犬塚の接近に気付き、うちわを振るった。

広い格納庫の空気が循環し、突風が犬塚を襲う。

しかし村雨がその風を犬塚の左右に再循環させる。


天狗はさらに突風の勢いに乗って、犬塚に金剛杖を振るった。

杖を小太刀で受け止め、村雨で切って半分の長さに。

二刀で攻め立てて天狗を切った。


ガブリエル、ナーガ二体、天狗一体。

犬塚が順調に皆殺していく。



タルナーダはミカエルの血を狙っていたが、

逃げ腰のミカエルは距離を詰めない。

タルナーダは素手の分、リーチに欠けていた。


天狗も身を挺して邪魔をする。

思い切ってミカエルを無視し、天狗に集中する。

鬼の剛力で無理やり間合いを詰め、掴みかかって血を吸う。


この瞬間を待っていたのか、ミカエルは追撃してこず、

格納庫出入口へと向かった。



犬神とラファエルは互いに攻撃しながら、周りを気にしている。

一対一ゆえの余裕があった。


ラファエルには他の戦闘から距離をとる動きがある。

犬神もそれに乗った。


ミカエルを逃せば火星本隊との全面戦争になってしまう。

犬士達にとっての負けフラグ。


しかし、そうはさせじと格納庫出入口まで来たミカエルの前に、

乙姫が現れる。


尻尾をびよんびよんすると犬神が珠転送し、

格納庫出入口に立ちはだかった。


今や異星人天使はミカエル、ラファエルのみ。


ミカエルは再び探査船の扉を全開放した。

空気が宇宙空間へと排出される。


犬神は再びパイルで耐える。

犬塚は珠転送で東犬のUFOへ戻り、

タルナーダは犬神、乙姫の元へ。


流されるミカエル、ラファエル。


しかしラファエルは格納庫内にある自分のUFOを遠隔操作していた。

流されるまま乗り込む。


ミカエルもそのタイミングで全扉を閉めた。

犬神、タルナーダが格納庫から締め出される形となった。

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