アベンジ編4 天狗かみなり火事起こし

天狗と犬塚の一対一となった。

お互い殺意を膨らませる。


飛び掛かる犬塚に間合いで勝る天狗が棒を振るう。

犬塚は棒を切り払った。

棒はたやすく分断された。

もう一度村雨を振ったが、かわされた。


得物が短くなった天狗が高度を上げる。

棒の断面をよく見るとかすかに煙が上がっている。

天狗は竜巻で自身を包んだ。


「勘がいいな」

犬塚は一対一となった事で霧を毒に変えていた。



地下大阪城では食堂に婦警浜路六月が居た。

浜路は勤務後に寄ったのだったが、犬塚達とはすれ違いだった。

出かけたと聞いて落胆したが、

今は食堂で座敷童と呑気にサラダとカレーを作っている。


犬坂が雷雲を呼んでみたが、天狗は暴風で雲を払う。

暴風はそのまま竜巻となり大阪城を襲った。


瓦やら、しゃちほこやらが飛ばされ、大阪城公園の木が壁に突き刺さったりする。

やがて軽自動車やスクーターが飛んできて火が付いた。


次々に木が飛んできて、でっかいキャンプファイヤーの様に燃え盛る。

やがて竜巻が火災旋風となり更に激しく燃え上がる。

とうとう大阪城は崩れ去った。


天狗は満足したのか、梅田へ去っていった。


地下大阪城には何の被害も出ていない。

犬坂は雨雲を呼んで鎮火に勤しんだ。



忍者犬影は免許皆伝になって以来、誰にもその存在を認識されたことは無い。

真の忍者である。


犬影は子供のころから天才で、

派手な忍術を好み、火遁が得意だった。

以来いつも爆破したい欲望を耐え忍んでいる。

真の忍者である。


犬影は明石海峡大橋の下側を回り込み、

天狗の風上になるタイミングを待っていた。

おもむろに竹筒を出すと栓を開け、黒い粉が舞った。


天狗が自身を包んだ竜巻で余計に黒い粉が羽にまぶされる。


犬影が手裏剣を二つ投げた。

手裏剣は異なった軌道を描く。

まず片方が羽に刺さり、

少し遅れて同じところに刺さると火花が散った。


天狗が激しく燃え上がり墜落する。


対戦車誘導弾を構えていた自衛隊員からは、

天狗は熱量が少なすぎて照準検知出来ていなかった。

結局突然燃え上がった事で照準出来たが、橋に損傷を与えるので撃っていない。


犬塚は自衛隊の援護?を逃さず天狗に駆け寄り、天狗を切り捨てた。


しばらくして犬神と合流し車で淡路島に渡る。

犬坂に電話すると鬼の拠点探索を指示された。

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