アベンジ編4 天狗かみなり火事起こし
天狗と犬塚の一対一となった。
お互い殺意を膨らませる。
飛び掛かる犬塚に間合いで勝る天狗が棒を振るう。
犬塚は棒を切り払った。
棒はたやすく分断された。
もう一度村雨を振ったが、かわされた。
得物が短くなった天狗が高度を上げる。
棒の断面をよく見るとかすかに煙が上がっている。
天狗は竜巻で自身を包んだ。
「勘がいいな」
犬塚は一対一となった事で霧を毒に変えていた。
■
地下大阪城では食堂に婦警浜路六月が居た。
浜路は勤務後に寄ったのだったが、犬塚達とはすれ違いだった。
出かけたと聞いて落胆したが、
今は食堂で座敷童と呑気にサラダとカレーを作っている。
犬坂が雷雲を呼んでみたが、天狗は暴風で雲を払う。
暴風はそのまま竜巻となり大阪城を襲った。
瓦やら、しゃちほこやらが飛ばされ、大阪城公園の木が壁に突き刺さったりする。
やがて軽自動車やスクーターが飛んできて火が付いた。
次々に木が飛んできて、でっかいキャンプファイヤーの様に燃え盛る。
やがて竜巻が火災旋風となり更に激しく燃え上がる。
とうとう大阪城は崩れ去った。
天狗は満足したのか、梅田へ去っていった。
地下大阪城には何の被害も出ていない。
犬坂は雨雲を呼んで鎮火に勤しんだ。
■
忍者犬影は免許皆伝になって以来、誰にもその存在を認識されたことは無い。
真の忍者である。
犬影は子供のころから天才で、
派手な忍術を好み、火遁が得意だった。
以来いつも爆破したい欲望を耐え忍んでいる。
真の忍者である。
犬影は明石海峡大橋の下側を回り込み、
天狗の風上になるタイミングを待っていた。
おもむろに竹筒を出すと栓を開け、黒い粉が舞った。
天狗が自身を包んだ竜巻で余計に黒い粉が羽にまぶされる。
犬影が手裏剣を二つ投げた。
手裏剣は異なった軌道を描く。
まず片方が羽に刺さり、
少し遅れて同じところに刺さると火花が散った。
天狗が激しく燃え上がり墜落する。
対戦車誘導弾を構えていた自衛隊員からは、
天狗は熱量が少なすぎて照準検知出来ていなかった。
結局突然燃え上がった事で照準出来たが、橋に損傷を与えるので撃っていない。
犬塚は自衛隊の援護?を逃さず天狗に駆け寄り、天狗を切り捨てた。
しばらくして犬神と合流し車で淡路島に渡る。
犬坂に電話すると鬼の拠点探索を指示された。
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