大阪城攻防戦4 忍者犬影
犬神真人が鬼の拠点、長柄橋の橋脚へ突入した後、
長柄橋のアーチ頂上に黒い影があった。
黒い忍者装束の男、名を犬影という。
先の曽根崎-大阪城間のパトカー逃走で鬼どもが突然転んだのも、
今し方、見張りの鬼の気を引くほど、大きな鬼の悲鳴を上げさせたのも、
犬影の援護だった。
犬影は免許皆伝になって以来、誰にもその存在を認識されたことは無い。
真の忍者である。
長柄橋アーチの上を2体の鬼が駆け上がってくる。
犬影はアーチ頂上から飛び降りた。
先頭の鬼もチャンスと思ったのか飛び降りた。
二番手の鬼の視線が落下していく犬影を追うが、
突如その右手首と金棒が切り飛ばされる。
アーチ頂上に鎖鎌を持った犬影が居た。変わり身の術。
右手首を失った鬼に鎌を投げつけると、
1周半ほど鎖が巻き付いて、背中に刺さった。
犬影が今度こそアーチから飛び降りる。
鎖で繋がれた鬼も共に落ちた。
先に落ちていた鬼が見ていた犬影は落下中に黒い布切れとなり、
闇夜に消えていた。
むなしく着地した鬼のそばに切り飛ばされた右手首と金棒が落ちてくる。
落下の衝撃音で鬼がうろたえた。
うろたえた鬼の背中には犬影が着地する。
鬼の背中で忍者刀を振るい、首を切って1体目に止めをさす。
落ちてきた2体目の首も切り飛ばした。
長柄橋を複数台のパトカーが渡ってくる。
すでに犬影の姿は無く、鬼の死体だけが残っていた。
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