日丸の刀

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零幕

チュンチュン。

森の中刺さる巨大な岩に腰かける一人の少年。彼の名は「日丸」。彼の旅に目的はない。だが「その時」が来れば目的は無理矢理にでも作られるものだ。

「………………」

日丸は体を起こし、ここからすぐ近くにある村に足を運ぼうとした。


彼は「武士殺し」の異名を付けられている。しかしそれは彼が望んだことではない。それはかつて彼の住んでいた村を領地にしようと企てた悪質な幕府により付けられた名である。彼は自分の住む場所を崩壊させた幕府を恨んではいるが、幕府をどうこうとする訳でもない。彼は幕府の刺客をただひたすらに斬る。



腰に差した一振りの刀で。


「日丸の刀」

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