YouTuberになれなくて - God bless you - 後日談

天照てんてる

若きシャルロッテの悩み

最期のビデオ

 私は、に、録画ライブが遺されていることに気付いた。


 チャットルームには、黙祷の文字ばかりが並んでいる。


 私は録画ライブを再生した。


 笑顔のが、そこに、居た。


「お姉ちゃん、やっぱり来てくれたんだね、私、信じてたよ。あの言葉で、お姉ちゃんが気付いて、来てくれるって。……こんなライブの撮影なんて、無駄になるって、信じてた。だから、これが公開されているということは、私は賭けに負けたのね?」


 どんどん顔色が悪くなっていく彼女を見て、私は目を逸らしてはいけないと思った。が、涙でディスプレイが見えなくなっていく。


「お姉ちゃんと私の秘密は、私だけが持って逝きます。でも、パパがこのライブを見て、どうするかはわからない。消しちゃうなんてことはないと思うけど、公開はしないかもしれない。公開せずに、私のふりをして配信を続けるなんて、お姉ちゃんには簡単なことだから。」


 全くもってその通りだ、私は何も返す言葉を持たないし、返す先に送る技術は、いまのところまだ存在していない。せいぜい、お焚き上げしてみる、程度にしか。


「でも、お姉ちゃんがこれを見ている。だから、私は安心して逝きます。」


 いつの間にか、泣いていたがまた笑顔になっていた。


「じゃあ、パパのことよろしくね!」

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