第6話 伝説の秘密捜査官 ジョナサン・リー ②

 ジョナサン・リーは、アメリカで生まれ育ったことから、母国語よりも英語の方が得意であり、堪能な青年だった。そしてアメリカで育ったことから、物事を俯瞰的に見ることができた。一部の扇動的な政治家が国民をあおり、間違った情報コントロールのもと、故国を国際的な孤立へと導きつつあることを、とても危惧していた。

 彼は現在の祖国の持つ危うさを誰よりも強く感じていた。

 そして現在の混乱へと導く起点となったのが、自身が加わり失敗した作戦にあることを痛感していた。

 あの時、あのような判断ミスをしなければ、世界はもっと平和で明るい未来を夢見ることができたはずだったのだ。



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