【6】 体育会系の先輩が後輩君を激励
【シチュエーション】
体育会系部活の女先輩と後輩。
【舞台設定】
現代世界。部活後のロッカールームに二人きり。
【二人の関係と親密度】
バレー部の先輩と後輩。後輩君は敬意を向けているが、先輩ちゃんは後輩君のことが好き。
【個人データ】
・ハル──男、学生、ショタっぽい、10代。気弱な性格。
・エチカ──女、学生、大女、10代。男勝りな性格。
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『 体育会系の先輩が後輩君を激励 』
「そんな! そんな……申し訳ないです」
「いい! 私がいいって言ってるんだからいいんだ!」
ロッカールームの長椅子にちょこんと腰掛けるハルを、エチカは半ば脅迫めいた剣幕で制した。
場所は学校体育館のロッカールーム、バレー部練習後のことである。
体育会系のこの学校において、ハルは落ちこぼれと呼ばれる存在であった。
発達不良の小さな体躯は小学生と言われても納得できるほどに貧弱で、5キロのマラソンですらまともに走りきる事が出来なかった。そんなハルが自身の青春を捧げようと選んだのがこのバレー部である。
県下においても強豪として知られる名門のバレー部に虚弱体質のハルが入部することには、周囲からも疑問や哀れみの声が上がった。
その中で一人、ハルの入部に怒りを露わにしたのがエチカであった。
根っからのバレー馬鹿であったところのエチカなどは、当初そんなハルの入部を「部への侮辱」とまで断じて毛嫌いしていた。
しかしハルの真摯なバレーへの取り組みを見るうちに、そんな彼女の悪感情も徐々に薄らいでいく。
入部以来連日、ハルは居残っての練習と自主トレに励んだ。
お世辞にも上手いとも言えなければ才能の欠片すらないことは確かではあるのだが、それでも難関に立ち向かおうとするハルの精神性には他の部員にはない尊さがあった。
それに気付いた時、エチカの中のハルへのわだかまりは消えた。
それどころか、そんな努力に報いてやろうと自身もまた居残り練習に付き合ううちに──エチカはこの小さな後輩に想いを寄せるようになった。
身長180センチ超のエチカに対して150センチにも満たないハルとの身長差は実に30センチ以上。体重もまた、全身が筋肉の塊であるエチカとは実に30キロ近い開きがある。
そんな巨人がこの小さな少年に恋をしたのだ。
もっとも唯一の慰めはこのハル自身もまた、エチカに好意を寄せていてくれているということ──口に出してその想いを確認したことなどは一度も無いが、誰もいなくなった体育館で二人だけの特訓をするこの時間はお互いに大切なものであった。
しかしながら今日──ついにエチカは限界を越えた。
この小さな想い人をどうしてもモノにしたくなったのだ。
そして女傑ゆえに根が単純なエチカの行動は実に早かった。
件の特訓後、「特別にマッサージを施す」とハルをロッカールームに招き入れ、そして今に至っている。
「僕がするならまだしも、先輩にそんなマネさせられませんよ」
小さな少年とはいえ、根は体育会系の教えがしっかりと仕込まれている。関係の上下を重んじるハルは頑なにエチカからの奉仕を断った。
しかしながら、
「私の言うことに逆らうというのか!?」
一方でエチカも引かない。……思春期の、成長ホルモンが全身にみなぎっている筋肉女子の欲情は本人でもどうしようもなかった。
半ば恫喝に近い命令で服従させると、エチカはハルを長椅子の上に寝かせた。
肘を折り、両腕を重ねてはその上にうつ伏せて腹ばいになるハル……色白の華奢な両足の付け根がショートパンツの中に伸びている様を前にエチカは眩暈すら覚える。
当初の彼女の予定では、このマッサージを口実にしたスキンシップで場を和ませ、その和気あいあいとした空気の中で告白をするというのが計画ではあったが……
──頭から食べちゃいたい……!
求めてやまなかった想い人の肢体を目の前にして感情の天秤は、『純愛』から『性欲』へと秤が傾いていた。
本能の赴くままに、エチカはハルの腿の付け根をワシ掴む。
「あう……ッ!」
臀部を割り開くように外へ捻るとハルがうめきとも取れない声を上げた。そんなハルの切なげな反応と、そしてこの短パンの下で彼の小さな尻が押し開かれてあられもない恥部を晒しているのかと思うと、もはやエチカは理性の抑えが利かなくなっていた。
「ハル!」
「えッ? せ、先輩!?」
その名を呼ぶや、エチカはハルの短パンに顔を埋める。
鼻梁が臀部の分け目に収まるや、汗や生理臭を含んだ香(かぐわ)しいハルの体臭が脳髄を突き抜ける。
「ハル! ハルぅ! 好きだ! 好きだハル‼」
それら香りの元へ幾度となく強く鼻先や唇を押し付けては念願の告白を果たすエチカ。……当初思い描いていた甘いシチュエーションとはだいぶかけ離れた生々しい展開とはなったが、ともあれ本懐は遂げられた。
一方で、
「せ、先輩! 僕もッ……僕も好きです! でも、こんなのやだぁ!」
依然としてエチカに尻を味わわせながら、ハルも悲痛の声を上げる。
それを受けて──エチカの責めが止んだ。
──つ……通じたぁ。
台風一過の思いで安堵すると、すっかり脱力しては頭をうなだらせるハル。
しかしながらそれこそはハルの思い違い……──
「悪かった。お前ばっかりじゃ不公平だものな」
前方からのエチカの声にハルも疲労困憊といった体で顔を上げる。
そして眼前の思わぬ光景に、
「せっ……先輩ッ!?」
ハルの重かった瞼は皿のように見開かれる。
「お前からも存分にこの体を味わってくれ! さあッ♡」
目の前には……一糸まとわぬ上半身を晒したエチカが両腕を掲げていた。
頭の後ろで手を組み、豊満な乳房とそして卵のように形良く発達した腹筋や上腕筋をこれでもかと言わんばかりに見せつけては我が身を呈するエチカがいた。
「あッ……は、はは………はははは……!」
怒涛の展開に、ハルは完全に思考がショートしたハルはただ笑い事しかできない。
そんなハルを、
「嬉しいか? 私の裸がそんなに嬉しいのか? こいつめッ♡」
傍らに付けたエチカは、勘違いもはなはだしく喜んで見せては照れ隠しにハルの顔を腋に挟んだ。
首に腕を回し、顎の下で両手を組んでロックするとエチカの鍛え抜かれた乳房は存分にハルの横顔に押し付けられる。
「今夜は寝かせないからな、ハル! ……ううん。優しくしてね、ダーリン♡」
「もう好きにして………」
その後は軽々とハルを抱き上げ、脱いだユニフォームも肩にかけると──上半身が裸という恥じらいも意に介さず、エチカはロッカールームを後にするのであった。
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