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 今日大体の決着がついたのでここでお話ししたいと思うのだが、僕が部活での発表がある日、つまり次の金曜日に閧俵トキワラ高校の吹奏楽部の定期演奏会がある。クラスにいる吹奏楽部員の一人に陽向がいる。定期演奏会が行われるということが僕に分かったときくらいから(学校の至るところに定期演奏会のポスターが貼られ始めた頃だと思う)陽向に来ないかと軽い言葉で何度も何度も言われ続けていた。正直曖昧な返事だったり違う話だったりをして正式な回答などをするということはなかった。その回答をする理由として自分は陽向の演奏を聴きたいという思いはあるし、行くということで少しでも良い印象をもってもらえるという思いもあった。ただそれをすると逆に周りからの、とか僕の中での葛藤があったのである。

 ちょうど昨日、陽向の吹いているサックスの録音の音を聴き、そのときにもそれといった話をされた。ただ、このときにも確実な返事をすることはなく違う話に持っていった。帰るので別れたあと、早めの段階で聞いていなかったかのようにLINEをして聞くという手段に出た。その返事が来たのが今日である。

 返事では何と言ったか本人が覚えていなかったらしく僕が上手く情報を引き出すように言葉を使って話をしてその方向に持っていった。無事に陽向に話をさせていつもと同じような話になっていったのだが陽向の方が行くという仮定の元で話を進めていったので僕の方も何の躊躇いもなく行くという方向で話をすることができた。結局行くという話で今後の話が進んでいくであろう。

 それがどのように陽向に印象を持たせられたのかまだ分かってはいないが良い方向に持っていけたと思う。

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