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 今日はセミナーAの五回目でいよいよ青カビのペニシリン抽出でペニシリンとは細菌の細胞壁を作る酵素に働いて増殖を阻止するという作用を持っている物質だ。

 前回までに液体培地に青カビを投入していてその液を水切りネットを用いて余分な膜を取り除いた。そして培養液1Lに対して活性炭20gの割合で活性炭を膜を取り除いた液と一時間程度撹拌した。(ビーカー内に撹拌子を入れてスターラーでかき混ぜて一時間放置)その後、吸引ろ過(原始的な方法である水を出してその一端を繋げることで気圧を下げる)を使って一時間程度撹拌した液をろ過した。しかし、他の班に比べて出てくる液体が少なくて他の班は三つ先の手順まで終わっているのにそこまで至らず、時間の都合で先にご飯をとることになった。

 午後からは遅れたところから始めた。まずは冷水を炭素にかけた。それでもやはりスピードは遅い。そこでアスピレーター(水道と繋いで圧を下げるもの)を変えようということにしたのだが、ガラス製のものに変えようとしてホースを変えようとしたらガラスが割れてしまうという事故が発生してしまった。班の一人が手を怪我してしまって職員室に行った。その間元のアスピレーターに戻して地道にろ過していった。途中からアスピレーターの連結部分が取れていってしまって最終的には水道との連結部分が取れてしまって水が暴発してしまった。それが原因で周りに水が飛んでしまってこちらとしては頭が上がらない感じになってしまった。次に同じことが起こらないようにと場所とアスピレーター(ガラス製の割れてしまったものと同じもの)を変えて1%酢酸水溶液でろ紙に付いた炭素を洗浄して2%炭酸水素ナトリウム水溶液で炭素からペニシリンを抽出する作業をした。その頃に皆はそのあとの作業を終えて解散という形になっていた。なんとか無事にろ過が終わると他の班はろ液を更にろ過したのだが、時間の関係で僕の班はそのままバットの1/3程度までろ液を入れて冷凍庫に入れた。それを月曜日の朝に凍結乾燥機に入れるとのことだ。いろいろ事故だらけであったが無事に手順は終えたので成功できることを祈るばかりである。

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