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 今日は身体測定と新体力テストが行われた。元来運動が苦手な僕は毎年行われるこの体力テストを敵としていた。最初は身体測定からだったのだが、慎重が思っていたよりも伸びてなかったのには少しの驚きを感じざるをえなかった。

 さあ、体力テストの時間がやってきた。ここからが僕の体の奥にある何かをえぐり出す時間だ。真の自分を出しつつ、隠すそんなものだった。握力とシャトルランは体育の授業でやっていて握力は右が23で左が22で平均として四捨五入なので23、シャトルランは52回となった。雨天の影響で五十メートル走とハンドボール投げは延期されて残りの種目を今日はすることになった。

 最初に行ったのは長座体前屈で昔から体が硬いために長い記録など出たことがなかった。またここ半年くらいろくに運動をしていないので全体的に記録が下がっていることも予想されていて何センチまで行けるのかと心配が募っていた。一回目の挑戦は20センチでクラスの他の人よりも断然低い。二回目こそはと気合いを入れたが、(それで何か変わるかと言えば変わらない)22センチとそれほどの変化がない結果となった。

 次に行ったのは反復横跳びだった。体力テストの種目の中では何故だか一番得意な種目だった。今までの記録と体力の問題などを考慮して目標を立てると50くらいかなということになった。いざ、勝負!一回目は42と少し少ない。二回目は前の人について行こうとスピードをあげたつもりでいたら49と目標に近い数字を出すことができた。これで多少の面子は保たれただろう。

 反復横跳びでの浮かれ具合を引き裂いたのはその後の立幅跳びだった。クラスの男子たちの記録を見ると200何センチといった記録が並んでいた。さすがに今まで百の位が1から変わったことはなかった。これは保たれた面子が壊れていまうと心から思った。自分のターンが回ってきて飛んだが自分でも思っていた以上に飛べてなく記録は150センチ。二回目もあったが周りの人から色々アドバイスを貰った。一回目の記録が驚くほどに小さかったからであろう。アドバイスを受けた上で二回目を飛んでみると少しあがって174センチだった。やっぱり僕と運動の相性は悪い。

 最後の種目は上体起こしで今まではやっとのことで二桁に行ったかなといったところで十五くらいに行けば十分かなと思う。ピーという先生の合図で始まった三十秒は思った以上に長く、短かった。記録は14回、まあ思っていたくらいの記録になったし良いだろう。

 体力テストが終わって身体測定の一部である視力検査が教室で行われた。出席番号順にやるとのことだったので、番号が最後の僕は一番最後ということになった。一人、また一人と検査を終えて次の人に回っていく。遂に僕の番がやってきた。授業中は眼鏡をかけていてかけても見えないかなと最近思ってきていたのでAという判断が下されるとは端から思ってなくてせいぜいBでしょと思って検査に臨んだ。結果は右左互いにC、正直そんなに視力が悪いとは思っていなかった。今まで学校の視力検査でCを取ったことがなかったので高校一年生にして初の出来事である。

 昼食を食べたあとに結団式があって連合の幹部の自己紹介があってその後にペアダンの衣装とダンスを見た。衣装はウェディングというテーマのため結婚式を暗示させる白いドレスとタキシードだった。ダンスは男子が踊る部分、女子が踊る部分、ペアで踊る部分の三種があって男子女子各性別のみで踊る部分は何とも思わなかったが、ペアで踊る部分は二人でハートを作る等のダンスがありペアダンマジックと言われる恋愛につながるのが分かる気がした。やらなくて良かったという思いがあった。

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