第一章 ちょっとそこに座りなさい!2
◆◆◆
町の
「ね、ねえ、ここって、もしかして、もしかしなくとも……っ!」
「ここは
後ろを向き、サヤカは喜びを
「やった、いきなりレオに会える……!」
サヤカのその言葉に、ジルが少し
「あなたが最初はレオからだと
「え? 私そんなこと――あ。言った、かも……」
そういえばゲームを始める前の質問に「やっぱり最初は最推しのレオからかな~」と言った気がする。ただしそれはジルの言う『力を奪う順番』ではない。
サヤカはふとジルの言葉の中に重要な単語が含まれていたことに気付く。
「ん? レオの前? ってことは、あそこにレオがいたってこと!? 全然見てなかった!」
「レオに気付かなかった理由も、面と向かって会えばわかるでしょう。もう少し移動します」
ジルは町の中心部をさして再び歩き出すが、サヤカは
「待って、心の準備が……! だってレオさまが、動いて、
「……まあ、彼も生きていますからね」
心底何を言っているのかと、ジルは
「レオさまが……生きてる……!?」
『目に映るすべての人を守る』と
サヤカの
「……何でも構いませんが、ここは
そう言ってジルはさっさと歩いて行き、サヤカも
(でも、だってしょうがないじゃない。同じ次元で生きてるのよ? 二次元の
サヤカの
「な、何……!?」
サヤカも目を
「あれが、怪物……? で、でかくない……?」
ゲームと実際に見るのとではやはり違う。ジルは
「いえ、特別大きな個体ではありません。ですが、少々数が多いですね」
「ねえ、何でレオさまは来ないの?」
レオならきっとすぐ
「クズだからでしょう」
「……あ?」
ジルの返答に、自分でも驚くぐらいにドスの
「レオさまがクズ!? あんたレオさまのこと知らないでしょ!?」
「知ってますよ。嫌というほどね。だからあなたを
ジルはそう言って、傍にあった塔を見上げる。
物見の塔なのだろう。そこに彼の姿はあった。背が高く、
「レオさま! ……ん?」
(さっき追いかけてきた人にちょっと似て……いや似てない似てない何考えてるの私!?)
あんなに
きっとレオなら、すぐさま怪物を倒しに走り出すはず――サヤカはそう信じていた。しかし怪物の咆哮と足音は、どんどん近づいてくる。レオはそれを見ているだけだった。
「どうして、何もしないで見てるの……? あ、
自分に言い聞かせたつもりだったが、答えは
「何もしていないんですよ。
「私達に見えないところでやってたかも――」
「以前なら、今も指示を出し、自分も怪物に向かっているところです」
ジルの冷静な言葉に、何も言い返せない。
レオは怪物を
レオの行動理由がわからない。サヤカは
「ね、ねえ、何とかしなきゃ……!」
「そうですね。このままでは、怪物が
ジルが指さす方向は、レオが向かって行った方向でもあった。小高い丘の上に高い壁に囲まれた区域がある。逃げ惑う人々は、
ジルの言っていることを理解して、サヤカは
「待ってよ、それって……ものすごく危険じゃないの?」
「危険ですね。ですが一応、レオは今まで再出現した怪物はすべて倒し、被害者はいません」
ジルの声は冷静というよりも
「被害が出てなくても、こんなの、みんな怖いじゃない!」
その言葉に驚いたような顔をしてから、ジルはサヤカからレオの背中に目を向ける。
「……ええ。奴は今、人の身は守っていても、人の心を守ることは
(何だろう、この人の、この言い方……)
ただただ聖騎士達を
「私の知ってるレオは、そんなことしない! きっと何か事情があるはず!」
どうして
「まあ、いいでしょう。一度その目で、奴を見てみればわかりますから」
その言葉にさらに腹立ち、サヤカは足を速めたが、ジルは焦る様子もなく後ろを歩いてきた。
※次回:2019年2月15日(金)・17時更新予定
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